■学校の居場所
思っていたより傷が治るのは早く、1週間で俺は体に巻いていた包帯をすべて取ることになった。
「ゆーくんきょうからがっこー?」っとゆいが目を輝かせながら聞いてくるので、「そうだよ♪」っと俺と一緒に行けるのを楽しみにしてくれている妹の頭を優しくなでた。
するとゆいは嬉しそうに「えへへ♪またいっしょにべんきょーしようね♪」っと心を弾ませるように言った。
そして俺達は分団の待ち合わせに行くと、二人一緒にみんなと歩いた。
そして相変わらず知らない人に声をかけられる。どうやらみんな、俺の神秘的な色に引かれてしまうらしい。
もちろん俺は凍りついたように人見知りをする。
そして学校に付き、俺はゆいと別れた。
そしてここから、俺の足は重くなる。
教室の扉を開けると、みんなが俺に視線を向ける。
みんな"うわ、戻ってきた"っと言わんばかりに、俺を見てはなぜだかくすくすと笑っている。
じつはこんな状況が始まったのは、小学校生活のすぐ1日目からだった。
はじめにクラスのみんなと顔を合わせた時、俺があまりにも不思議な色をしているので、みんな俺に視線を向けていた。
みんな黒や茶色の髪をしているのに自分だけピンクで、しかも男だなんて不思議に思ったのだろう。
みんなも幼いため、はじめは「あそぼー♪」っと声をかけてくれる子もいたが、人見知りをしてしまい「いえ、大丈夫です」「すみません…」っとなぜか敬語で冷たく、1人だけ子供らしからぬように接してしまったため、1人だけ省かれるようになってしまった。
そして目つきも悪く、血のように真っ赤な目が子供にとっては怖いのか、俺が視線を送ると気味悪がられるようになり、紙くずやおはじきなどを投げつけられるようになってしまった。
はじめは先生も普通に接してくれていたが、俺の書く字や文章がすでに大人と同レベルだったからか、先生にまで怖がられるようになってしまった。
そして気がつけばこんな状況が続いて3ヶ月が経とうとしていた。
俺が自分の席に向かおうとすると机がない。
すると、女の子1人が「あ、すてちゃったからあききょーしつからもってきていいよだってー」っとくすくすと、笑っている。
俺はひとまずランドセルを後ろのロッカーに置こうとすると、大量のゴミが詰め込まれている。
そして俺がみんなの方を振り返ると、クラスのみんなは俺から視線を外し、友達同士しゃべりはじめて無視をする。
どうしようもない感情をグッとこらえ、俺はゴミを掻き出しては集めて、ゴミ箱に捨ててはロッカーの中にランドセルを入れて、空き教室へ行くために教室を出ようとすると、「かえれー」っと叫びながら誰かに消しゴムやおはじきやらを投げつけられる。
まだ泣き虫だった俺は、こらえられず涙を浮かべながら教室をでては空き教室へ走った。
そして思う。
"ここに俺の居場所は無い"
のだと…。
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