■何かがおかしい
あの山が親戚と関係あるかないかをとりあえず調べる方法を考えると、やはりお母さんだろうか。
ただ母はちょっとデリケートなので、聞こうか聞かまいか、ものすごく悩んでしまう。
父は"母に親戚の話をするとまたパニックになってしまうかも"っと言っていた。
だから
"あそこにうちの親戚がいるの?"
って聞くのはまず、なんとなくだけど怖い。
ゆいはひたすら、うーんっと悩む。
でもやっぱり気になる、祐太くんの罠かもしれないけれど、ゆいと同じ髪色の人はいないってお母さんは言ってたし、もしこれが本当なら、母にはちゃんと確認してみたい。
ゆいがこたつの中に入りながら悩んでいると、母がみかんを持ってこっちにやってきた。
「ゆいちゃん食べる…?」っと母が聞いては1つ差し出す。
この際、このままさりげなーく、そっと触れないように聞いてみようかな。
「ありがとうお母さん。
あのね、今テレビニュースばっかでつまらないよねー」っと言いながらゆいはみかんを受け取った。
すると「そうね、被害者も少なくて、どんなものかも教えてくれないし、他の被害の心配がないならこんなにも報道しなくてもいいのに、なんだか変よね」っと、意外と普通に母の意見が帰ってきた。
もしかしたらやっぱり親戚とは関係ないのかもしれない。
「そっかぁ…」っとゆいが言うと、「そういえばお母さん昔はあっちに住んでたのよ」っと言った。
ゆいは、「え?」っというと、「故郷なのよ、だから故郷が閉鎖されちゃって、ちょっと複雑なの」っと言う。
ということはやっぱりあそこにはゆい達の親族がいるのだろうか…??
ちょっと怖いけど、ストレートに聞いてみようかな。
やっぱり兄のことは諦めきれないし…。
さすがにあれから5ヶ月も経つから、あの時より精神的に母も落ち着いてきてるような気がするんだよね。
自分の故郷だって教えてくれるくらいだし。
「ねえ…ピンクのかみって本当にゆいたちだけなの??」っと、再確認のため1度確認する。
すると母は「そうよ」っとスッと即答する。
それじゃ、やっぱりなにかの間違いなのか…。っと考えていると「どうして?」っと母が聞き返してきた。
「うん、なんかピンクのかみの子を見たって子がいたから気になっちゃって…」っというと、「そうなの…、でもそれはありえないと思うわ、みんな死んじゃったもの」っと答えた。
それなら祐太くんのいたずらだったかもしれない。
そうおもったがなにか心の底に今の話に違和感のようなものを感じた。
なんだろう、この感じ。
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