■守れない約束(END) 結局ゆいたちは何も出来ないまま、どんどん日にちが過ぎていった。 母はきっといじめを何とかすれば出してくれるのかもしれない…っと思った。 けど父は今出せても、9歳になればまた閉じ込めないといけないと言っていた。 それなら尚更今くらい、ゆいは兄と一緒にいたい。 その後のことはとりあえずまた考えればいい。 今は、今を何とかしたい。 ゆいは学校でも頑張って、ゆうくんのクラスメイト達を説得しようとした。 けれど誰も聞いてはくれなかった。 むしろみんなゆうくんが来れなくなって、一安心となっているくらいだった。 クラスメイトは母と同じように、ゆうくんを怖がっているようだった。 どうして怖いのか? どうして嫌いなのか? どうして気持ち悪いのか? ゆいは理由を必死に聞こうと思った、そうすれば改善できるかもしれないと思ったから。 けれどゆいがあまりにもしつこいので、みんなゆいを避けるようになってしまった。 ゆいにはどうしようもなくなってしまったのだ。 ゆいの担任の先生も保護者の人に電話もしてくれた。 けれど、結局あまり聞いてはくれなかったらしい。 ゆうくんに会えないまま、ひと月、またひと月と日にちだけが過ぎてゆく。 "また明日も来てくれる…?"っと聞いてきたゆうくんを思い出すたびに、心がとにかく傷んだ。 "お兄ちゃん 約束まもれなくて ごめんなさい" ………っと。 [*前へ] [戻る] |