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■近づきたくて
飲食店をでて、先生を送ると、お父さんとゆいはオムライスを持ちながら家に帰った。

「ゆい、オムライスはお母さんに見つからないように、さっと部屋に行くんだぞ。
お母さんはまだゆうを出すと精神的に不安定になっちゃうからな」っと父は優しく言いながらオムライスをそっとゆいに渡すと、ゆいはオムライスを受け取り、「わかったよぱぱ♪」っとお返事をした。

「それと、お父さんが先生にゆうのことを話しちゃったこともお母さんには内緒だぞ?」っと父はゆいの頭を撫でながら小指を差し出し、ゆいは両手でつかんでいたオムライスが入った袋を1度地面に下ろしては、「ゆびきりげんまーん♪」っと言いながら、右手の小指をだして父と指切りをする。

「それじゃあいくか…」っと父はいうと行こうとするが、一度立ち止まり、「そうだ、ゆい。お父さんが先に入って、お母さんの気を引くから、サッとオムライスを持って自分の部屋で待っててくれないか?」っとゆいにお願いをする。

「うん、サッといくね♪」っとゆいはオムライスを再び両手で持ち、返事をすると、父は「ありがとう」っと言っては扉を開けては玄関にはいった。

「ただいま!今日は遅くなっちゃったー」っと父は母がいる部屋へ入る。そしてゆいも急いで廊下を走った。
自分の部屋に入ろうと思ったが、隣の兄の部屋が見え、急に兄が気になってしまい、ゆいは兄の部屋にオムライスを持って入った。

"ゆうくん!"っと、中に無事でいるか大声で叫びたいが、"叫ぶとお母さんに聞こえるから、あまり良くないよね"っと思い、それでも兄がいるであろう場所にできるだけ近くにいたいと思ってしまい、床に寝っ転がり、床に耳を傾けた。

今回はオムライスがあるので、お母さんが気になってこっちに来るようなことがあれば困ってしまう。

なので無言で耳を傾けた。

しかし音は全く聞こえず、ゆいは不安になってしまう。

"寝てるのかな?"
"それともあまり聞こえにくいだけなのかな?"
っといろんなことを考える。



しばらくそのままでいると眠気がやってくる。
ゆいはうとうとしながらひたすら寝転がっていると「ゆい…」っと小さく自分を呼ぶ、お兄ちゃんの声が聞こえてくる。

返事をしたかったが、母が気になり、返事ができなかった。

とにかく必死に心の中で"おにーちゃん!"っと叫んでいた。

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あきゅろす。
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