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闇夜の月


ふと、ある事に気づく。

そういえば…

「あ、あのさ…」

寝室の隣の部屋にあるクローゼットで、今日着る服を出しているだろうユキナに、声をかけた。

「はい、なんでしょう?」

「何時に来るの…?」

「えぇと…」

確か…と考え始めた。

ま、そんなに早く来ないよね…。

「ああ…予定では、10時頃到着されるはずです」

ふ〜ん、10時ねぇ…って

「ええ!?10時に来るの!?」

「はい、そうです」

ニッコリと微笑まれた。

すぐさま壁に掛かっている時計に目をやる。


現在時刻──7時45分

ユキナに起こされてからもう30分はとうに過ぎていた。

早すぎでしょ。

「ありえない!私の朝の日課が十分に取れないじゃない!」

眉間にしわを寄せて憤然と言う。




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