闇夜の月
9
ふと、ある事に気づく。
そういえば…
「あ、あのさ…」
寝室の隣の部屋にあるクローゼットで、今日着る服を出しているだろうユキナに、声をかけた。
「はい、なんでしょう?」
「何時に来るの…?」
「えぇと…」
確か…と考え始めた。
ま、そんなに早く来ないよね…。
「ああ…予定では、10時頃到着されるはずです」
ふ〜ん、10時ねぇ…って
「ええ!?10時に来るの!?」
「はい、そうです」
ニッコリと微笑まれた。
すぐさま壁に掛かっている時計に目をやる。
現在時刻──7時45分
ユキナに起こされてからもう30分はとうに過ぎていた。
早すぎでしょ。
「ありえない!私の朝の日課が十分に取れないじゃない!」
眉間にしわを寄せて憤然と言う。
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