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闇夜の月


ユキナは、呆れた様な顔をして私を見ている。

「そらそうですよ。だって、事前にサリア様にお伝えしてもどうせ、嫌だ、と言って断るに決まっているから、当日に伝えて欲しい、と国王様にいわれましたし」

それに、とユキナが言葉を続ける。

「私自身も、嫌だと言ってとんずらするだろうと思いましたしね」

お父様そんな…というかユキナも…とんずらって…

酷すぎる…。


ま、文句言えないけど…。

確かに嫌だと言いますとも。確かにとんずらこきますとも。
だって、まだ17歳だというのに嫁いでその国の為にずっと尽くすっていう人生を決めるとか…ありえないから…。(←まだ決まってないって!)

だって


まだ、恋をしたこともないんだよ?
ま、今のところ縁がなさそうだから別にいいんだけどさぁ…。


でもねぇ…やっぱり、憧れるじゃん?

まったく、こんなことを考えている自分に笑えてくる。


「さっ、そういう事ですので早く起きてくださいませ」

そんな事は露知らず、ユキナはさっさと起きろとせかしてくる。




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