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闇夜の月

「隣国の王太子…?」


寝台から起きて私はユキナを正面から見た。
多分まぬけな顔をしていることだろう。

「はい、そうです」

「…それ、本当?」

嘘であってほしい…。


しかし、その願いは無情にも崩れた。

「何で、私がサリア様に嘘を言わなければならないんですか。そもそも、このような内容の話を嘘です、なんて言えるわけがありませんよ」

ユキナの表情が少し曇った。
嘘なんてつくもんですか、って顔をしている。


──やっぱり…





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