闇夜の月
18
……………………
特別応接室の近くまで行くと扉の前に二人の兵士が立っていた。
こちらに気がついた兵士が敬礼をとる。
前を歩いていたユキナが兵士に声をかけた。
「サリア様をお連れしました」
「はい、では、お入りください」
右側にいた兵士が答えた。
ギィ…
するとその兵士がどき、左側にいた兵士がその木製でできた艶のある綺麗な扉を開けた。
「では、サリア様お行き下さいませ」
ユキナが扉の中へ手を差し向けて言った。
「ユキナはいかないの?」
サリアが不安そうに聞いた。
「はい、陛下がそう仰りましたので」
ユキナは、微笑んで言った。
「そうなの…」
そう言って扉の中へ入って後ろを振り向く。
「…じゃあ、行ってくる」
不安な顔でそう言うと、いってらっしゃいませと、ユキナに微笑まれて兵士に扉を閉められた。
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