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闇夜の月
14

………………


裏門に着くとすでにユキナが待っていた。


「何で怒ってるの…?」


馬から降りる。

明らかにユキナの顔が怒っている気がするのは、多分自分の気のせいであってほしい…。


「当たり前のこと聞かないでくださいよ。何で怒っているか分からないなんて言わないでくださいよ」


やっぱり怒っていたらしい。


「だって忘れていたんだもの…」


無駄だと分かってはいるが、一応弁明してみた。


「はぁ、もう9時15分までには帰ってきてくださいと言いましたじゃないですか!」


ああ…結局怒られたし…。

まぁ、明らかに自分が悪いのでこれ、以上言い返せない。


「ごめんなさい…」


素直に謝った。


「それに、時間がもうあまりありませんから、剣のお稽古はなしですからね」


「ええー、…そんなぁ…」


それは、あまりにも酷すぎでしょ…


「なにか文句でもございますか?早く戻ってこられないのが悪いのです」


これじゃあどっちが王女様なのかわからない…。



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