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小説
モリ×ハルヒ(ラブラブ



第三音楽室




ガチャ・・



「「「いらっしゃいませ」」」



−−・・・ホスト部,



開店・・・



「環様−


「光君馨君


「鏡夜さま−


「ハルヒ君



「ハニーくん



「モリくん




きゃあきゃあと賑わうホスト部。




皆お客の相手をしている中,たった一人,窓際に
佇む背の高い男がいた。








銛之塚崇。





その大きな影に気付いた藤岡ハルヒは,




ゆっくり銛之塚に近付いた。



「モリ先輩?何してるんですか?」




「・・・ハルヒ」




「外は雨が降ってます。
冷えるので窓際から離れた方がいいですよ?」





「・・・そうだな」



モリは小さく笑い,接客へと戻っていった。




そのハルヒの優しさが,新たな恋を生み出すとはハルヒ本人も分かっていなかった。






二日後・・・

ガチャ・・

「こんにちはぁ・・って
自分が一番乗りか。先輩達遅いなぁ〜」


一番乗りはハルヒ。


かと思いきや,準備室から人影が出て来た。









「モリ先輩・・!」











ハルヒがいた事に,モリも驚いたような表情をした。



「モリ先輩。ハニー先輩はどうしたんですか?」




「チカの部活に見学に行っている・・・」



「そうなんですか。じゃあ,紅茶でも入れますね」




コポポ・・・



紅茶を入れるのに手慣れている筈なのに,ハルヒはモリと二人きり,という状況に戸惑っていた。





足元がふらつき,手も震え,心臓も高鳴る。



この気持ちは何なんだろう・・・


と考えながら,モリの方を見ようと顔を捻って・・・



ガシャアァン!!


「熱っっ!!!」



「!ハルヒ!!!」



ハルヒは振り向く拍子に,持っていたティーポットを落としてしまったのだ。




腕はみるみる赤くなる。



ハルヒの元へ駆け寄るモリは,救急箱を開けて湿布とネットを取り出した。



「っ・・モリ先輩,ありがとうございます。」


「・・・大丈夫か」



「はい,何とか・・・」


モリはハルヒの細い腕に湿布を貼り,その腕にネットをかけた。




「もう 大丈夫だ。気をつけろ・・・」


「あ,ハイ。ありがとうございます。」


にっこり笑うハルヒは,モリの心臓を高鳴らせた。




二人は見つめ合い・・・


沈黙が続く。



その時,



「ごっめぇんチカチャンの練習見てたら部活の事忘れてたぁ☆エヘッ」



ガチャ,と嬉しそうに入って来たのは,ハニーだった。



「ハニー先輩,お帰りなさいです。」


ハルヒは何事もなかったように立ち上がり,ハニーの元へと駆け寄った。



「あれぇ?ハルチャンどったの〜?腕ケガしちゃったの??」


ハニーはハルヒの腕を見て,首を傾げた。


「あぁ,これですか。自分の不注意で火傷をしてしまいまして。」


「あらぁ〜痛そうだねぇ!大丈夫ぅ??」

ハルヒは頷き,


「ハィ!モリ先輩が手当てしてくれたので!」


嬉しそうに頬をピンク色に染めるハルヒ。



「崇ぃ 偉いねぇ!ハルチャンの事助けてあげていい子いい子☆」


モリの頭を撫で撫で。



モリもどこと無く嬉しそうな表情を浮かべた。




部活終了・・



皆解散して,第三音楽室に残っているのはハニーとモリだけ。



「・・・光邦」


「ん?なあに??」



いそいそと鞄に荷物を詰めるハニーに,モリは話しかけた。




「俺は・・・ハルヒが好きなんだろうか・・」


その一言を聞いたハニーは,ふと手を止めた。







「崇がハルチャンに感じる心情はある??」




「とても・・・可愛いと思うし・・・胸が・・・ドキドキする」



ハニーは笑い,崇の髪をくしゃっと撫で,




「それは,崇の言った通り,好きって事だょ☆
崇が告白しないと,ハルチャンが誰かに取られちゃうかもよ??」



その言葉を聞き,モリはダッシュで第三音楽室を出ていった。








「崇,ガンバレ」


小さな声が,最後に第三音楽室に響いた。









ハァッ・・ハァッ・・


モリは懸命にハルヒの家に向かった。




坂を上ると,小さな人影が見えた。



ハルヒ・・!




モリは更にダッシュし,ハルヒまでIbの距離になり,大きく息を吸った・・・




「ハルヒっ・・・!」



ハルヒは振り向いた。











夕焼けに反射したハルヒの顔も,ほのかなオレンジ色になる。




「モリ先輩・・・?どうしたんですか!?」






「ハルヒに・・・伝えたい事があって・・」



「自分に?」



コクン・・と頷くと,




「俺は・・・ハルヒ,
お前が・・・好きだ」














「・・・・モリ先輩・・・」








ハルヒは真っ赤になり,俯いた。しかしすぐに顔を上げて






「自分も,モリ先輩が好きです。」







にっこり,静かに笑った。











夕焼けで,二人の影は長く伸びている。










その影は,ゆっくり・・・
















・・・重なった。





END

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