小説
常陸院ズの休日(馨Side
ジリリリリ・・・・
朝を告げる不快な目覚ましの音。
僕はゆっくり目を開けた
「光・・・目覚まし止めて・・」
向かいの光のベッドからはう〜んという声と寝返りを打つ光が見えた。
何かちょっと可愛い,なんて思ったり。(笑)
変態かよ僕は。
「馨ぅ・・目覚まし五月蝿い・・」
「光が目覚ましに近いんだから止めてよ・・」
そう言うと観念したのか,光が起き上がり,
ブツブツ言いながら目覚ましを止めた。
「オハヨ,光。」
「オハヨ,馨。」
光ってば・・寝癖凄いし。
可愛いなぁ。(笑)
「今日学校休校なんだよね。どっか行く?」
・・光と一緒なら何処でも。
と言いそうになったケド,変態に思われちゃうからやぁめた。(笑)
・・・あッ
「「庶民デパート!!」」
見事にハモったね。
流石。
「クスッ・・じゃあ行こうか☆」
クッソーそんな可愛い笑顔さらしちゃって!
なーんて言えない・・・(笑
車で30分。
『イォン』という庶民デパートに着いた。
「「わぁああぁ〜!」」
ゲーセン,ショップ,映画館・・食べ物屋まで!
僕と光は目をキラキラさせて,平日なのに人で賑わう通路を駆け抜けた。
下手したら迷子になるね,此処。
通路を歩いていると,ある雑貨屋の品物に目が止まった。
「キモイ!!キモイ〜!
アハハハ!」
その緑色のはにわみたいなスライムみたいな,変な置物を見て僕は笑った。
「はぁ〜キモイ〜W見てよ光ぅ・・・ってあれ?」
辺りを見渡しても,光の姿がない。
「光・・・?ひか・・・」
まさか迷子??高1の僕が??
そうだ!携帯・・・って
あぁああぁぁあーー!!
忘れてる!!携帯家に忘れた!!
僕の馬鹿〜〜!
とにかくどうしよう・・
光を探さなきゃ!
一階・・二階・・三階
辺りを見渡しても,全く光の姿はない。
あーくそ。泣きたいよもう。
仕方なく僕はトイレの近くにあったベンチに座った。
何処?光・・・ッ
頬に涙がつたる。
「っ・・ゥ・・光ぅ・・っく・・」
もうダメ?光に会えないの・・?
「馨っっ!!何処だ馨!?」
遠くで光の声がする。
「ひか・・光?光!?」
声のする方へ全力疾走。
通路に出ると,目の前には・・
大好きな光の背中。
光光光光光っ!!
「光っ!!」
大好きな背中は,こちらを向いた。
「馨・・・馨っ」
ギュウ・・・ッ
「光ぅ・・ゴメンなさい・・僕がっ・・寄り道したせいで・・」
「僕の方こそ・・すぐに馨がいないのに気が付かなくてっ・・お兄ちゃん失格だ・・」
僕を抱きしめる強さは,一層強くなる。
「光・・?痛い・・」
「あっ・・ゴメン。」
ぱっと離れる光。
顔が赤い。そりゃそうか。
通路の真ん中だもんね。
人の目も気になるよ(笑
それから僕らは,二度と離れないように手を繋いで,
いっぱい庶民デパートを楽しんだのでした♪
〜〜おまけ〜〜
「んで馨,あの時何でいなくなったの?」
「えーと・・(笑)」
緑色の奇妙な物体に見とれて(?)いました。
言える訳ねェェェ!!
END
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