小説
ハルヒのうたた寝
放課後の第三音楽室
1−Aのホームルームが終わり,藤岡ハルヒと常陸院光&馨は,部活に向かおうとしていた。
「ハルヒ〜何で今日昼ご飯食パンだったのかよ〜」
と光。
「仕方ないじゃん。お米値上がりして結構キツいんだから」
溜息を尽きながら答えるハルヒ。
「ハルヒの弁当争奪戦はしばらくお預けだネ☆」
いい感じの雰囲気の光とハルヒを見て
ニヤニヤしている馨。
そんなこんな話しているうちに,第三音楽室に辿り着いた。
ガチャ・・・
「ヌゥ!やっと来たかお前達!・・あっ ハルヒ〜!お父さんは寂しかったぞ〜」
三人がドアを開けるなり
,
ホスト部キング,須王環がハルヒに飛び掛かった。
「・・っ!///」
環に抱きつかれ,途端に顔が赤くなるハルヒ。
(まただ・・!最近・・環先輩の事が気になって・・胸がきゅうって・・)
そのハルヒの反応を,光は見逃さなかった。
「光・・?」
馨は環を睨む光に声をかける。
「馨・・やっぱさ,ハルヒって・・」
「・・殿の事でしょ?」
「うん・・」
(やっぱり光,殿に嫉妬してるんだね)
馨はクスッと小さく笑い,
光の頭を撫でた。
「ガンバレ光。僕は応援してるから」
ガチャ・・
「あぁ〜皆揃ってるねェ☆崇ィもう降ろしていいよ〜」
「・・・あぁ」
次に入って来たのは,
ハニー先輩こと埴之塚光邦と,
モリ先輩こと銛之塚崇だった。
モリはハニーを肩から降ろすと,ハニーと一緒に
環達の所へ歩きだした。
ガチャ・・
「やれやれ,やっと全員集まったか。じゃあミーティング始めるぞ」
最後に入って来たのは,
どす黒魔王 鳳鏡夜だ。
10分くらいのミーティングが終わり,
部員は各配置に着いた。
今日の接客タイトルは
『春の日』。
全員が着物に着替え,中庭に作った桜の木の下に
集合した。
「にゃ〜ハルヒは何を着ても可愛いなぁ♪」
アホ面でニヤニヤする環。
「ありがとうございます・・」
「こらこら馬鹿環。お前も配置につけ。お客様がお待ちだぞ」
「あぁ,悪い。。じゃあな〜ハルヒ。また後でな〜☆」
ハルヒは環が去って行くのを見て,
(ヤバイ・・まともに環先輩の顔が見れない・・・)
耳まで赤くなる。
ハルヒは気を紛らわす為に,桜の木の下に座った。
「綺麗・・」
ひらひら舞い落ちる桜の花びら。
ポカポカ暖かい日差し。
ヤバイ・・眠い・・・
そのまま視界が薄くなり,ハルヒは眠りに落ちた。
(・・ルヒ・・ハルヒ・・)
暗闇の奥から聞こえる優しい声
この声は・・・
「ハルヒ〜〜起きろ〜 」
目を開けると,そこには
「環・・先輩」
「もう部活終わったぞ?」
「ええぇ!?」
時計を見れば,もう7時。
「全然お客さんの相手してなぃ・・」
「そうだな。桜の木の下てハルヒがあんまり気持ち良いさそうに寝てるから,姫達も気を利かせて
帰って行ったんだぞッ?」
そうだったんだ・・
女の子達に悪い事しちゃったな・・
「さて。ハルヒ。送って行くから,もう帰ろう」
「あ,ハィ」
環が差し出した右手につかまり,起き上がった・・
ポスッ
「「!///」」
起き上がった力で,ふらついてしまい,ハルヒは環の胸の中にすっぽりおさまった。
「ハッ・・ハルヒ!?//」
「すっ すみません!///」
ハルヒが逃げようとすると,
ギュウ・・・
「た・・まき先輩?」
環はハルヒを抱き直した。
「今日の接客タイトル・・『春の日』だったろ?」
「え・・・ハィ・・///」
(ってか離して・・///)
「俺 タイトル聞いてすぐハルヒの事考えたんだ。」
「え?」
「春の日ってハルヒみたいに暖かいから・・ 」
「へぇ・・」
「それに・・」
「それに?」
「春の日を略したら春日(はるひ)じゃん?(笑)」
ズコッ!!
「駄洒落ですかッ!!」
「うん☆よし,帰ろう♪」
「・・ハィ」
ハルヒは環の家の車の中で思った。
(もしかして・・タイトル決めたのって・・)
ハルヒはちらっと,環を見つめたのだった。
END
[次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!