甘いくちづけを君に 4
涙が、ボロボロとこぼれてきた。
敵の前で涙を流すなどとしたくはなかったが、今頃待っているだろう銀時と自分の状況を思うと悔しさがこぼれ落ちる。
ガチャンッと。
金属の重なる音がした。
次はなんだろうか。これ以上何を辱められるのであろう。それとも、いよいよ拷問か何かだろうか。
『口を開けろ』
こもった声が聞こえた。
明らかに声で判別が出来ないようにしている。
‥‥‥見知ったやつか?
思いがよぎるがまだわからない。そう簡単に従うと思ってるのか。馬鹿か、こやつ。
口を一文字にきつく結ぶ。
『開けろ』
繰り返される言葉。
開ける気など毛頭ない。
「うぁぁっ!」
−−−突然の激痛。
剥き出しにされたままだった、ソコを力を込めて握られる。
『握り潰されたくなかったら口を開けるんだ』
結局。
俺はあまりの痛さから逃れる為、まるで歯医者に来たかのように口を開けた。
『いい子だ』
下肢から手が離れた。
代わりになにやらカチャカチャと器具のような物の音がする。
顎を取られて開けた口を塞げないよう固定される。
そして、口の中に金属の異物が入ってきた。
‥‥‥ん?
‥‥‥んんんんん〜?
口の中に入ってきたのは、金属の異物と‥‥‥甘ったるい匂いのする、生クリームの、かたまり。
異物はクリームを口の中に残し、すぐに出ていった。
?????
『鈍いな』
ケラケラと誰かか笑っている。
−−−こ、この声っ
「誕生日おめでとう。小太郎」
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