甘いくちづけを君に 3
顔に冷たいものを当てられ目が醒めた。
目を開けようにも目隠しをされているようで開けることも叶わず、手足を拘束され身動きもとれない。
何のために拘束されたのかが頭を駆け巡る。
他の過激派の連中だろうか。
警察であればここまでの拘束はまずないだろう。
もしや怨みをもっている天人や春雨の類だろうか。
「貴様、何者だ!」
何故か口は塞がれていない。
答えを返してくる者はいなかった。
「何が目的だ」
微かに鼻で笑ったように聞こえる。
しかし何も言わない。
しばらく様子を伺うことにする。
時々、いろいろと問うてみるが、やはりなにも帰ってこない。
自分は何やら椅子のような物にくくり付けられてるようだが、きっちりと縛り上げられていて、簡単には外せそうにはなかった。
−−−−プロの仕業だ。
成り行きで捕まえたくらいではこんなきっちりしたことは出来ないはず。
これは用意周到に計画され、実行された出来事のように思えてならなかった。
なんで今日なんだ!!
浮かれた気分で万事屋への道を歩いていたはずだった。本当なら今頃銀時とゆっくりしていたはずなのにっっ!
−−−いや、警戒を怠っていた自分のミスだ。
視界が見えない中、物音だけに耳をすませ、頭の中が後悔やら焦りやらでぐちゃぐちゃになっていた。
ぐい、と。
顎を掴まれ上向きにされる。ふれてきた手は手袋をしているようで革の匂いがした。不安は余計に増幅する。
「何がしたいのだ」
やはり答えは返らない。
しかし、顎にあった手は、頬へ、首筋へ、そして着物の合わせを開き、胸元へと入り込んで来た。
「貴様!なにをするっ」
体をよじってはみるが、拘束されてる身ではさしたる反抗にもならない。
体温の感じられない冷たい手は、胸の突起を探り出しくねくねと刺激を与えてくる。
なんだこいつッ!
唇を噛み締め、恥辱に堪えていると、胸元を探るのに飽きたのか、手がすっと離れていった。
ほぅ、と小さく息を吐き出したのもつかの間、今度は着物をめくり上げ下着の上から自身を撫でられる。
「やめろっ!!」
言ったところで止まるはずもなかった。
手は下着の中へと入り込み、弄び始めた。
鳥肌がたち、全身が竦み上がる。
い‥やだ‥ぎん‥銀時っ
さわっていいのはアイツだけなのに
手はしばらくさわっていたが、生理的な硬さ以上になんともならないそれに飽きたのか、離れていった。
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