1.モーニングキス(万高)
目の前で端正な顔が無防備な姿をさらしている。
いつもは高い位置から見下ろしてくる顔がすぐそこに。
長くはないけれど密度の濃い睫毛。
んでも結構長ぇよな…
万斉の寝顔を見れるなんて滅多にない。
いつだって自分が起きた時にはもう先に起きている。
だから。
ふと、悪戯心が起こっても仕方がないと思った。
少しの独占欲を万斉の知らぬところでだしてもいいんじゃないかって思う。
息を止め、そう離れてはいない間を緊張しつつ静かにつめる。
ふにゅ。
直前で目を閉じそっとそーっと。
起きないように、軽く口づけた。
‥‥‥‥‥つもりだった。
「最高の朝でござるな」
目を開けると優しい瞳に見つめられ、顔が思わず熱くなる。
「た、たまには、だっ」
「ん。じゃあ拙者もお返し」
もちろん自分がした軽い軽い口づけなどではなく。
「うぜぇ」
と言ってもごまかせないほどの熱い朝となった。
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