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甘いくちづけを君に 1
「銀時、その」

顔を赤らめてもじもじしてるヅラがいる。

「あ?なに?言いたいことあんならはっきり言えよ」

寝っ転がってジャンプを読みながら、いつものようにぐだぐだしてる。

「今度の26日だが‥‥空いてるだろうか」

はっきり言えばいいのに。
一緒にいたいって。
その日が何の日かなんてとっくの昔にわかってる。
だけど、知らないフリをする。

「あ、なんかその日は依頼入ってっからちょっとでてるわ」

本から目を離さず、ペラリとページをめくる。

「そ‥そうか。仕事があるのはいいことだな」

シュンとしてる姿に笑いそうになる。
ついつい虐めたくなってくる。

「でもよ、夜ならいいぜぇ。8時過ぎだったら神楽もその日はいねぇし。−−−俺、一人だし」

「‥‥‥一人なのか?それは‥‥少しさみしいな」

おい。
気付けよ!
ったく相変わらずニブイな。

「何が寂しいわけ?銀さん一人じゃたりないってか。どーせ俺の息子一本じゃ淫乱なヅラ子には物足りませんよ」

少々の間を置いた後、ヅラの顔が真っ赤に染まる。

「い、いやそんなことはない。俺は充分満足してる。決して物足りないなど思ったことはないからな」

真っ赤になりながらも真面目に返すコイツがかわいい。

「それはもういいから。あんまりいわれると逆になんっか慰め入ってるみたいに聞こえっからやめて」

「しかし‥」

「そんなことより、お前その日誕生日だろ?」

ヅラが驚いた顔をする。

「知っていたのか」

「たりめーよ!俺の記憶力なめんなよ」

ほんとは別から聞いたけど。

「だから、待ってるからな」

「ああ」

ヅラは嬉しそうに頷いた。


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あきゅろす。
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