ゲームのお時間ですよ
さて、坂本の提案通り王様ゲームを始めることになりました。
小道具は先に部屋に準備がしてあります。
端っこにいる銀時が、袋から番号のついてる棒やらを出して準備をします。
‥‥‥何か見つけたようで一瞬ニンマリしましたが、誰もそのことには気付きませんでした。
「王様ゲームってなんでござるか」
芸能界にいるわりには疎い万斉が聞きました。
「なんでィ、河上はそんなことも知らねーのか。クジで王様になった奴が他のやつらの番号指定して好きなように指令出来る、S魂の燃えるゲームでさァ」
「何でも?」
「そう、何でも」
‥‥‥何を思っているのでしょう。
まわりはこの二人が王様は嫌だ、と思いました。
取りあえず、河上の合コンポイントが1上がったよです。
「ほーい、じゃあヤルゾー。みんな引けよー」
なぜかゲームを仕切ることになった銀時が、棒の先を手で隠し、皆に選ばせます。
我先にと棒を取っていき、あっという間に残ったのは自分の分だけ。
手の平を開いてみると。
「あ、王様俺だ」
呟きに皆の視線が銀時に集中します。
「残り物には福があるってね。んー、なんにするかなあ」
「勿体振ってないで早く言え、銀時」
焦れたヅラ‥‥‥いや、桂が悩んでるような銀時に声をかけました。
「きーめた」
ニカッと笑った顔に嫌な予感がします
「三番がセーラー服に着替えて残りの合コン時間をすごす!」
「三番?」
「誰だ?」
「俺じゃないぞ」
ガヤガヤ、騒ぎ出す中で棒を握りしめて固まっていたのは。
「‥‥‥晋助。それ、三番でござるな」
「ああ。そうみてぇだな。つか、せぇらぁふくってなんだ」
「なになに?三番高杉??じゃあ、はいコレ。生着替えまでは言ってないから、隣の座敷ででも着替えておいで」
嬉々としてセーラー服を手渡す銀時。
「なっんだ、コレ!!!コレを俺に着ろってか」
高杉はスカートのヒダを指でつまみ、嫌そうな顔をしています。
「そ。だって王様の命令は絶対だもーん。なあ、みんな」
まわりを見渡すと、ウンウンと皆が頷いているのを見て、観念したようです。
「つってもコレ、どうやって着んだよ」
「拙者が手伝うでござるよ!!」
興奮気味の万斉が手伝いをかって出ました。
「河上はだめー。二人で帰って来なくなっちゃうでしょ。ヅラ、お前手伝ってよ」
「ヅラじゃない桂だっ!って、なんで俺が」
「コスプレ、よくしてんじゃん。一番上手に仕上げそうだし。高杉もお前相手だと大人しいと思うし」
「ふっ‥‥‥そこまでいわれたらしないわけにはいかんな。楽しみにしておくんだな。行くぞ、高杉」
やる気を出した桂は、高杉の手を取り、着替えをするのに部屋を出て行きました。
「しっかし、セーラー服持ってくるとはまこと金時は準備がいいぜよ」
「誰が金時‥‥ヤメタ。もう突っ込むのも面倒臭いわ。ありゃあゲームの棒と一緒に袋ん中に入ってたんだよ。高杉にゃあ悪ィけど、自分が着せられる前に誰かに着せとかねぇとな」
「そりゃ高杉には悪いが助かったな。ま、俺だとサイズがあわないだろうがな」
ガハハと笑う近藤に、高杉でよかったと思う人が何人か。
十分程待つと、ガラリ襖が開きました。
「出来たぞ。ほら、早く来い高杉」
「んだよ、うっせーな。スカスカして気持ち悪ぃんだよ」
現れたのは、白い半袖に紺のセーラーカラーの上着に、紺のミニスカートとハイソックス。水色のスカーフが、目付きの悪い高杉に似合わず妙に爽やか。
スラリと無駄毛のほとんどない脚を惜しげもなく晒し、桂に続き現れたその姿に皆の視線が吸い込まれます。
ゴクリッ−−−−と誰かさんの喉がなるのが聞こえました。
「あんだよ。じろじろみんじゃねーよ」
皆に見られて恥ずかしそうに頬が朱く染まります。
「しーん、おんしゃあそげな恰好、よう似合うのう。かわいいかわいい」
先陣を切って口開いたのは坂本でした。
あまり違和感は感じてないらしいです。
「余興にはもってこいたな」
「おい、銀時。仕上げたのは俺だぞ。なにか労いの言葉はないのか」
「はいはい。高杉がかわいく出来たのはヅラのお陰ですぅ」
「わかればいい、わかれば‥‥‥高杉。お前の連れが何やら大変なことになっているぞ」
桂の指摘に万斉のほうをみると、ボタボタと鼻血を出しながら呆けています。
「万斉‥‥‥いいから顔、洗いに行け。そして戻ってくんな」
冷たく言い放ちました。
「ほらほら、高杉がこれ以上怒んないうちに早くいってきたら〜」
鼻血が出ていることにようやく気づいた万斉は、銀時に促され、鼻を押さえて一旦部屋を出て行きました。
「まあ、二人とも席についたらどうだ。先に進めぞ」
やる気満々の近藤が促したことで二人とも席に戻りました。
胡座をかいて片膝立て気味で座っている高杉は非常に目に毒。
「こら!高杉!そんな格好をしておるからエロテロリストなどと呼ばれるのだ。少しは隠せ」
すっかりスタイリスト気分の桂が注意しました。
「んだよ。男ばっかしかいねーんだからいいだろうがよ」
「晋ちゃん、んなこといってっと河上帰ってきたら襲われるよー」
「ちッ、面倒くせーな」
幼なじみ二人に言われ、少しはお行儀良くなりました。
そんなことをやってるまに河上も戻ってきたので先に進むことになります。
「王様だーれだ」
「あ、俺だ」
‥‥‥次はドSの王様でした。
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