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4 イケナイコト(※沖田×銀時)



−−−−−魔が刺すっていうのはこうゆうこと?


頭の中は何故か冷静に今の事態を考えていた。








「なんでィ、旦那。全然原稿進んでねーじゃないですか」


パソコンが置いてある机に突っ伏してのびている俺を横目に、形だけプリントアウトしてみたゴミの山をパラパラみているドS担当沖田くん。


「なんかね−。こう、湧いてくるもんがないのよ」

「旦那の頭に虫が湧きゃあ、小説出来るんですかい」

「ちっげーよ!アイデアだよ!ア・イ・デ・ア!!」


はあ。土方との仲はますますだし、溜息ばかりで
思考停止中。


「今はまだ余裕があるからいいですがねィ。ギリギリまでこの状態ですと監禁ですぜィ」


なにそれ。監禁てどうゆうことよ!あーでもこいつならやりそう‥なんて考える。


「ねー。なんかいいアイデアない?銀さんスランプなんよ」

「てめぇのイチャイチャでも話しにすりゃあいいでしょうが」


っ‥‥なんで痛いとこ、わざわざつっこむんすかね。コイツは。銀さんガラスのハートだっつーの。


「俺ァ、今、そんなこたあしてねぇんだよ」


何、目丸くしてんだよ。
俺の書くのはお菓子より甘い恋愛話。
そんなんの元ネタなんて、今は思い浮かばない。


「旦那、いつ土方さんと別れたんで?」

「別れてねーよ!別れてねーけど‥‥‥あいつ忙しいだろ?‥‥ただそんだけ」


なんっか。
言葉にだすと、余計傷付く自分がいる。
あー、なんで沖田くん相手にこんなことしゃべってんだろ。
あー、あれだ。
原稿も上手くいかねぇし、疲れてんだな、俺。


「へぇ。俺ァてっきりラブラブ続行中かと思ってやした」

「あんだよ。それ」

「旦那」


名を呼ばれて突っ伏して
た頭をあげる。


「んぅ‥!」


沖田くんの顔が目の前にあった。
頭を両手で挟まれ、逃げれられないよう固定されている。

キス‥‥?


「なっ‥?!んんっ‥」


なにを、と言いかけた言葉さえも唇で塞がれ話しが出来ない。
沖田くんの舌が口の中を荒々しく暴れ回る。
息継ぎさえ出来ない激しいキスに、酸欠で頭がくらくらしてくる。
してくる、のに。

体は反応していた。

土方じゃないのに。

久しぶりの、濃厚な、いや、激しいだけの口づけにさえ反応する自分の体が浅ましい。
唇が離れた頃には、苦しさから沖田の腕に縋るような形になっていた。


「ハッ‥ハァッ‥おめ‥‥なに‥」

「なにって‥‥キスしてるんでさァ」

「んなこたぁわかってるよ!どーゆーつもりだ、テメェ」


こっちは睨み付けてんのに沖田くんは楽しそうに笑ってやがる。


「いいじゃないですか。土方さんに構ってもらえなくてさみしーんじゃないですかい?あんたの甘ったるい恋愛話も飽きてきたんでそろそろ方向転換もいいかと。‥‥‥背徳の味‥教えてやりやしょうか?」


そう言ってニヤリと見下ろされて、背中に寒いものを感じる。


「いいいいや、いやいやいや、いーって!俺ほら、甘いの大好きだしぃ?
今更路線変えるなんて無理無理無理!!」


なるべく沖田くんを身から離そうと手を突っぱねる。


「おわっっ」


ガタンッッと。
椅子をひっくり返して俺は床で沖田に組み敷かれる形となった。


「沖田くん、結構力あるんだね」


引き攣りながら、わけわかんなくなった俺からでたのはそんなセリフ。


「まかして下せェ。これでも鍛えてありますんで。土方さんにゃあ負けません」

「オイオイ。そんなとこ張り合わなくていーからどいてくんない」


こんなとこ土方に見られたらどーすんだよ、ったく。
‥‥‥つーか、もう二週間アイツ見てねーじゃん。


「嫌でィ。旦那だって、刺激、ほしいんだろ?ラブラブじゃねーんなら俺だって遠慮するこたぁねーんだ。土方さんだってどこでこんなことやってるかわかりやせんぜィ」


そういいながら、沖田の手は一つは俺のシャツのボタンを外し、もう一つは俺の両手を頭上で固定して動かないようにしていた。


「ばっ!あの土方に限ってんなわけねーだろ!!」


あの土方に限って‥‥
でも沖田の言葉にのせられたのか、脳裏に何かが浮かんでくる。
振り払うように俺は頭を左右に振った。


「そうですかねィ。まあ信じる信じないは旦那の自由‥‥俺は好きにさせて貰いますがねィ」

「んっ」


また口を塞がれる。
逃げる舌を追われ、巧みに絡められる。長い口づけを受けてるうちに頭に霞がかかったようにぼーっとしてきた。


ヤベ‥‥‥コイツ、上手い‥


「体は正直ですねィ」


布の上から触られたソレが硬く張り詰めているのがわかる。


「溜まってんじゃないですかィ?コレ。‥‥どうして欲しいんで?」


ベロリと耳を犯しながら沖田が囁く。
その吐息にでさえ、敏感に反応してしまう。
久しぶりの他人からの刺激に、体が震える。


「旦那ァ‥‥自分で言わないとずっとこのままですぜィ」


キュッと強く握り込まれる。


「んッッ!」


強い刺激に蜜が先から溢れる感覚がした。
そして−−−俺は、堕ちた。


「し‥て‥‥も‥う、出した、いっ‥」


頭が麻痺してる。


ニヤリ、と、笑った口元が見えた。


「やっと素直になりやしたねィ」


カチャカチャとベルトを外され、素早く自身を取り出される。外気に曝されるとビクッと反応してしまった。


「ぅあッ」

「もうこんなになってますぜィ」


蜜のあふれる先をグリグリと刺激される。
強すぎる刺激さえ、快感と変わる。


「ああッッ」


その綺麗な指に追い立てられ、あっという間に達してしまう。
荒い呼吸を整えようとしていると、指が奥の蕾に触れた。


「楽しみはまだまだこれからですぜィ」


−−−−−続くものを想像し、ゴクリと唾を飲み込んだ。



チャッチャラララリラ〜♪



不意に場にそぐわない軽快な音が鳴り響く。


「なんでィ、人の邪魔しやがって」


そういいながら、携帯を取りに行った。


「はい、沖田です。‥‥‥はい。わかりました。すぐ向かいやす」


携帯をパタンと閉じると、沖田はこちらに近付いてくる。


「旦那ァ、すいません。緊急に召集がかかりやした。続きはまた」


そういって近くにある羽織りを俺の上にかけた。以外と優しいとこもあるじゃない。って俺!しっかりしろ!


「さっさと帰れ。このヤロー」


熱も覚め、冷静さが戻ってくる。
だが、立ち上がる気力はまだない。
そんな俺をおいて、沖田は鞄をもって玄関に向かう。
帰ったかと思いきや、ヒョコッともう一度顔を出した。


「そういやあ、明後日、うちの会社主催のパーティーがあるんで、空けといて下せェ。6時に迎えにきますんで」


じゃあ失礼します、と手を振り、いつもとおんなじように帰っていった。


だるさを感じる腕で目を覆った。



土方‥‥‥ゴメン。



頭が醒めると先程の出来事を振り返ってします。快楽に弱い自分の顔を、涙が一筋流れていった。


何もかもがごちゃごちゃでわからなくなってきた。

明後日‥‥‥土方にも会えるかな。

後ろめたい。

けど、会いたい。

会ってギュッと抱きしめて欲しい。

そうすれば俺は強さを取り戻せるのに。




アイタイヨ、土方‥‥‥










−−−−−−−−−−−

テクニシャン沖田見参(笑)


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