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言の葉
溺れる

溺れすぎちゃうから。

あの人と抱き合うのはイヤ。

気持ち良くなり過ぎるのはコワイ。

だから。



「ね、俺とシナイ?」



他のやつ誘った。

なのに。



「何やってやがんだテメェはよ」



怒られた。

なんで?

俺達、抱き合うだけの関係でしょ。

ただ、それだけでしょ。

わからない。

なんでそんなに怒ってんの。

あれ。

なんで俺の目からも涙出てんの。

なんで、こんなに苦しいの。

ねぇ、なんで。



「お前が好きだからに決まってんだろ」



す、き?



「どうやらお前の鈍さじゃ自分のこともわかんねぇらしいな」



鈍いって、俺が?

わけわかんねぇし。

でも、さっきから胸がバクバクいってる。

これ一体なんなの。



「教えてやろうか」



うん。

教えてよ。



「お前も俺んこと好きなんだよ」



‥‥‥何だって。

俺が?

お前を?

‥‥‥んな馬鹿な。



「だったらなんで顔真っ赤にしてんだ」



え?

ええ?

顔赤い?

こ、これはきっと今すごく暑いからだよきっと。



「へー、んじゃ試しに俺に『好き』って言ってみな。なんともなかったら俺の勘違いだ」



何だよソレ。

言うよ。

言えばいいんだろ。

なんてことないし。

んなの、別にただの言葉だ。



「ほら、早く」



うるさいな。

今言うからちょっとくらい待てよ。

あれ?

俺、緊張してる?

なんか苦しい。

何動揺してんだって。

たかが言葉。

言うだけくらい簡単。

‥‥‥‥のはず。



「土方、好き」



なに。

‥‥‥‥やばい。

やばいやばいやばい。

心臓イタイ。

俺、倒れそう。



「わかったか?」



どうしよう。

わかった‥‥かも。

俺、好きなんだ。

お前のこと。

だからこんなに苦しいのか?

だからあんなに溺れてしまうのか?

さわる手も。

風になびく綺麗な黒髪も。

瞳孔開いてる危ない瞳も。

低めの声も。

全部。

全部。

好きみたいだ。



「ったく、遅ぇんだよ」



ほんとだな。

なんだ。

そういうことだったのか。

なあ。

俺はこれからもお前に。

いや。

もっともっと。

俺を。

溺れさせてくれ。




20100411
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土方×銀時

好きとかいまいちよくわからない体だけ繋がってた感じの二人から


てゆうかこれ万舎に入れたほうがいいんじゃないの??

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あきゅろす。
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