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放課後の時間
青陽 1


「う、ん……」
 何度身体を繋げても、遠理(とおり)はセックスに慣れなかった。
「痛いか?」
 後背位で俺を飲み込んだ後、ぐったりしてしまった遠理に訊ねると、シーツに突っ伏したまま弱々しく首を振る。
「リラックスしないと、痛いままだぞ」
 少しでも良くしてやりたくて、立てている遠理の膝の内側に自分の膝を入れ、俺が股を広げることで、力みすぎて色を失い始めた遠理の足を、左と右に大きく割り開いた。
「わっ」
 驚いた遠理が、叫び声を上げる。
 限界まで広がった足の付け根の結合部分が丸見えだ。
 そう言ってやると、遠理は慌てて肩越しに俺を振り返った。
「ば、ばか、見るな! やめろ、足、そんなに広がんないっ」
 後ろから挿入され、身動きがとれない四つん這いの格好のまま、俺を精一杯睨みつけた遠理の目が潤んでいる。頬が上気し、息も切れ切れに不平を訴える顔が、思った以上に卑猥だった。
 ダイレクトに股間が反応し、遠理を良くするどころか、こちらが先にイッてしまいそうだ。
 俺は一度、自身を遠理の中から引き抜いた。
「んあっ!」
 予想していなかった俺の動きに、遠理が呻く。浅い呼吸を繰り返しながら、今の衝撃を逃がそうと再び顔を伏せた。
 見せつけるようにつき出された遠理の後孔が、ひくひくと蠢いている。いつもなら小さく縮こまっている窄りは、すぐには閉じることができずに広がっていた。
 俺の形の穴だ。
 俺を今まで受け入れていたところ。
 そう思うと生々しい鬱血の痕が健気で愛おしく感じられ、俺は胸の内側に芽生えた想いに戸惑いながらも震える尻に唇をあて、塞がらないうちにと穴の中に舌を挿し込み、じっくり舐めまわした。
「あっ、なに……?」
 遠理は未経験の感触におののき、全身を強ばらせてじっとしている。
 しかし、静まり返った部屋に内壁を犯す舌の湿った音がピチャピチャと反響すると、自分がされていることにようやく思い至った遠理は、がむしゃらに暴れ出した。
「青陽、どこ舐めてる! やだっ、ばかっ、あほっ、へんた…… ああっ!」
 俺から逃れようと必死にもがく身体を押しとどめ、浴びせられる罵声の数々は無視して、両足首を握って遠理の身体を仰向けにひっくり返した。
 即座に腰の下に手を突っ込み、持ち上げた尻を俺の膝の上に乗せ、動けないように固定する。
 それからおもむろに、愛撫を再開した。
 今度は後孔から袋までの間を、指の腹を使って上下に擦る。
「っひゃ」
 普段は腿の内側に隠されていて、自分でも触れたことがないだろうその場所を丁寧に舐めあげ、時にはきつく吸い上げて刺激すると、俺の上半身を挟み込むようにして持ち上がっていた遠理の足がびくびくと震え、つま先が何もない空を掻いた。
 その震えをあやすように、細かく皺の入った袋に触れ、優しくさする。
 ほどなくして、遠理の腰がぎこちなく動き出した。
「あ、あ…… はっ……」
 今まで快感をのぼらせなかった唇から切なげな喘ぎが漏れ始め、俺は嬉しい驚きに思わず顔を上げる。
 そんな俺の目に、芯を持って立ち上がりかけた遠理の性器が映った。
 もっと感じて欲しくて、成長途中の筒を握りこみ、身体を伸び上がらせて丸い先端を口に含んで吸い上げる。
「ああっ、んっ、だめ…… でるっ!」
「まだ駄目だ」
 それだけで射精を訴える感度の上がった性器を放してやり、俺は自分の体勢を整え直すのもそこそこに、閉じかかっていた遠理の膝を広げて、中心を一気に最奥まで貫いた。
 あっと、ひと際高い声を放った遠理を気遣う余裕が無かったが、一度挿入して広げた上に、更に舌でしつこく慣らした窄りは奥まで柔らかく解れていて、さほどの抵抗もなく俺を飲み込む。
「んんー!」
 二度三度腰を揺すると遠理の前が弾け、後ろがぎゅっと縮まった。
 今度は我慢しなくていい。
 遠理に締めつけられる快楽を味わいながら、俺も自身を解放した。

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