My sweet baby 10

「ああそれで、図書室で」
「うん。でもあれは失敗だったね。僕は学生の頃、地味で目立たないグループに入っていて、君みたいに華やかな人とは話をしたこともなかったんだ。教師としてならいけるんじゃないかと、勇気を出して声をかけてみたものの、足が震えて何を話したらいいのか分からないし、おまけに君を怒らせてしまって」
「俺は別に怒ってなんか」
「うん、そうだね。だから昇降口で普通に接してくれた時は、嬉しかったよ。慣れないことはするものじゃないと、かなり落ち込んでいたからね」
「あれを普通の接し方とは言わないと思う」
 教師の肩に顎を乗せたまま、義光は苦笑する。
「傘と本は、お詫びのつもりだったんだ。渡すことができたら、二度と君には近づくまいと決めていた。遠くから見ていられれば、それで充分かなって」
「先生」
 義光が、不意に顔を上げた。
「俺今、アンタに口説かれてるよな」
「えっ!? ち、違う! 僕の話の、何をどう聞けばそうなるんだ」
「入学式の日から俺を見てたんだろ、噂話に聞き耳をたてて。実際喋ってみてどうだった? 俺のこと、好きになった?」
「だから、そういうのじゃないんだって! そもそも僕は高校の先生で、君は生徒だろう」
「その生徒を散々振り回しておいて、よく言う」
「あっ……!」
 義光は、緩んでいた戒めから逃れようとする教師を再び押さえつけた。
 右手で肩を掴み、左腕の肘から先を後ろの壁について上半身を密着させれば、一回り身体の小さな教師に義光を振り払う力は無い。
「遠くから見てるなんて、寂しいこと言うなよ。実物がここにいるじゃん」
 義光は教師の耳に唇を当てた。
「んっ」
 肉の薄い耳朶をくわえると、教師の口から小さく声が漏れる。
「先生、風呂上がり? シャンプーのいい匂いがする」
 身体を強ばらせている教師に囁いて、義光は舌を耳の中に差し込んだ。
 穴の形に合わせて舌先を尖らせ、ゆっくりと抜き差しを繰り返す。
「ひゃっ! 小笠原、やめっ……」
「やめてもいいの、センセ? アンタのここ、既に凄いことになってるけど」
 義光は手のひらを教師の肩から胸、腹へと滑らせ、臍の前で指先を下に反転させて更にずらし、股間にあてがう。
 教師が穿いているスウェットパンツの薄く柔らかな布地を通して、固くなった中心を確かめるように、時計回りにひとなでした。
「あうっ……! んんっ!」




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あきゅろす。
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