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悪い奴ほどよく眠る
5
「楓兄ちゃん!!止めろって〜〜!」


マズいッ!!


頬っぺただけだったのが、耳やら首筋やらと範囲が広まって

兄ちゃんの柔らかい唇が落とされるたび
何でか体がピクピクと反応しちゃうから!


「ヨシヒロ、可愛いなぁ〜」


楓兄ちゃん、目ぜってー悪い!
つーか、エスカレートしてるし!


「ヨシヒロ‥」


うわわッヤバい!
楓兄ちゃんの目、イっちゃってる!
俺を見つめる顔は、格好イイんだけど
絶対女の子と間違えてるだろ、その顔は!


「か、えで‥兄ちゃん?」


スルリと頬をなぞる指先
その指が顎を上げてきて、楓兄ちゃんの顔が

近いッ!!


兄ちゃんの鼻先が俺の鼻と擦れて、熱い息が分かる近さ

つーか、これって!
まさかッ!


「か、か、楓兄ちゃん待ったー!」

「‥ッの、タラシ野郎がァァァアア!」

「うぉっ!!痛だッ!」



三者三様の声が被さった


それと同時に、俺の上からのしかかる重さが消える
そして‥


「よ〜し〜ひ〜ろ〜ッ!!」

「ひ、ヒィィィィイッ!」


ベッドの傍らで仁王立ちの正宗が
ドス黒いオーラを隠す事なく俺を見据えていた


悪意がない嫌がらせと
悪意がある嫌がらせ


一体どっちが俺にとって不幸なんだろ?


「テメェ!何やってんだァ゙ア゙!!」

「ち、違ッ!痛ッッでぇーーッ!」

「あぁ〜も〜、痛がって泣いてるヨシヒロも可愛いなぁ!
俺が舐めて治してやるッ!」

「楓兄ちゃん!!マジ止め〜〜〜!!」



どっちにとっても


不幸には変わりない‥‥


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