悪い奴ほどよく眠る 1 どうか神様!仏様! 今日だけ、この時だけ、俺の運を満タンにして下さい! 嫌いなピーマン頑張って食べます! 無駄遣いは極力しません! ゲームも程々にして勉強を‥‥ちょっとは頑張ります! だから‥‥‥ だからッ! 俺に当たりませんよーに!! 「よ〜〜し!誰に当たっても恨みっこ無しだからな!」 担任 蓮井のその言葉に皆が皆、ゴクッと息を飲む 教室に張り詰めた緊張感が伝染して ピリピリと痛い程、肌に突き刺さった 誰もやりたがらない文化祭の出し物で 『演劇』に決まった俺のクラス 誰もやりたがらないから、中々決まらない配役 だから‥‥ 『面倒臭ッ!もう、クジで決めるか〜〜』 担任のその一言でこんな状況だ!! 「よし!引くぞ!」 クラス35人分の名前 その紙が入った箱に勢いよく手を突っ込んだ蓮井がついに名前を読み上げた 「白雪姫役は‥ 百瀬 義弘にけって〜〜い!!」 百瀬‥‥ヨシ‥ヒ、ロ ‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥ って、俺かっ!!! 「ヌノォォォォォォォォ!!」 俺の悲痛な声を打ち消す歓声と拍手 神様なんか‥ 仏様なんか‥ やっぱり、いないんじゃァァァァ! [次へ#] [戻る] |