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鴨が葱を背負って来る 2
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鴨居の見ている世界はこんな感じか?
眩しい照明を浴び、ステージ上から人を見下ろし見れるこの光景


案外、人の顔分かるモンなんだな

俺が座ってたとこを見てみると嬉しそうな顔をした田口が、その隣に鴨居

ははっ!すっげー顔
びっくりしてやがる


『ネギ、鴨くんをビックリさせよーよ!』

あの時、田口から飛び出した言葉が浮かぶ

そうだ‥‥
ただ学祭に呼んだだけじゃ味気無い
この際、いつもの仕返しとした何かを‥‥


『その話し乗ってやろーじゃねぇか!!』

いつの間にかそう答えていた俺

(田口、成功だな!)

今、俺が思った事が伝わったのか
ニコッと田口も微笑んだ


俺の好きな曲が流れる
すぐ鴨居は分かった様だ


(お前の歌借りるぞ!)


マイクを握る手に力が入り、目一杯息を吸い込み

そして、叫んだ


「誕生日おめでとーー!!」


ワーッと歓声が上がる


柄にねぇーけど、今日ぐらい
祭だから
めでたい日だから
祝ってやろーじゃねぇか!

下手くそだけど、お前にとっては

いいサプライズだろ?



のどを震わせ何度も聴いた旋律を奏でる
腹に力を入れ声を大に歌う

この曲があったから
お前と出会ってしまった様なモン

だから響くはずだ
俺の声でも
鴨居、お前には破壊力抜群に届くだろ?


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