鴨が葱を背負って来る 2
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垢抜けた外見になってはいるが、高校の時と変わらず人懐っこい笑顔に
誰にでもすぐ打ち解け合ってしまう一種の才能を醸し出して
一緒に青春時代を過ごしたダチがいた
「おおーー!!早瀬!高校卒業以来だな!元気だったか!」
「ああ!根岸も相変わらずかっけ〜な!大学生活どうよ!」
拳を付き合わせ、肩や背中をバシバシ叩き合う
このスキンシップも懐かしい
久しぶりに会ったが、一気に高校の時の感覚に引き戻される
「根岸はこれからデートか?羨ましいな〜」
「へ?ち、違げぇーよ」
「またまたぁ〜、可愛い彼女いるんだろ?このこの〜」
そんな素敵な存在が居たら、今俺は引き攣る顔を浮かべたりはしていない
「根岸モテるもんなぁ〜」
「早瀬、だからー‥」
見てみたいなぁ〜、なんてほざきながらフルパワーでもって想像力を働かせている早瀬を何とかしようとした時
「ネギさん、お・待・た・せ!」
迂闊だった
早瀬に気を取られ、背後から忍び寄る存在にそこまで頭が回らなくなっていたから
ギューッと力いっぱい抱き着かれ
いつものごとく腹立つ登場の仕方で俺の血管を切れさせる
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