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鴨が葱を背負って来る 2
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あ、そーだ!と急にそう呟いた一樹
風呂場に連れて行こうとしていた歩みを止め、クルッと振り向いたと思ったら
俺を真っ正面から見つめてくる


「俺、根岸さんとキスしてから、ずっと唇の感触消えないんス!
そうっス!会ったら濃ゆいのをしよーと思ってて!だからもう一度‥‥」

「ふ、っっっざけんな!誰が男としたいか!この、止め!!」


ヤバイ!

顔が近付いてくる
掴まれた腕はしっかりと捕らえられ、壁に身体を押し付けられてしまっていた


この狭い玄関はまさに袋のネズミ


逃げられねェ!マズイ!
マズいッ!!

唇が後少しで触れる
きつく目を閉じた俺に聞こえたのは


「ネギさんッ!!!」


親しげに俺をそう呼ぶ聞き慣れた声
そして、ブッ壊す勢いのごとく開け放たれたドアの音

ゆっくりと瞼を開き見え光景
そこに立っていたのは


「〜〜ッ、かずきィィ!!
やっぱテメェ、ここだったか!」

「痛ッ!あ〜あ〜バレたッス‥‥」



全身雨に濡れまくった姿の鴨居が
険しい顔で、俺から一樹を引っぺり剥がしてくれていた


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