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四季折々
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「げっ!冬也!」

「おっ、橘!お前も今帰るとこ?」

「あぁ」


下駄箱で会った人物
春日とその傍らにはやはり夏が立っていた


「へ〜〜、珍しいな!橘いつも部活で遅いから」

「来週、テストだろ」

「あ゙っ、そうだった‥‥」

思い出した春日は顔を歪める
その様子だと、まだ手はつけていないようだ


いくら部活に力を入れている学校でも、勉学を疎かにするほどではないらしく、この学校も例外ではない

今日からテスト期間に入った事で部活はなくなり、早めの帰宅が余儀なくされた俺は、こうして春日と嫌そうな顔を隠しもしない夏に出くわす事になってしまった


「ねっ、旭!寄りたい所あるんだよね!早く行こ!」

俺と春日が話しをしている事が面白くない夏は、あからさまに割って入る

夏の言葉に弾かれたように嬉しそうな顔をした春日は、もうテストの事など頭にないと見えた


「おぉっ、そうだ!橘も一緒に帰ろ〜ぜ!
安くて旨い店発見したからみんなで食べに行くぞ!」

「え゙!!」
「俺はいい。2人で‥」

同時に発する俺と夏の困惑した声

「ほらっ!おっせ〜〜ぞ!早くしろよーー」


さっさと靴を履いた春日は、俺達がそれぞれどんな思いを馳せているか気付きもしないようで

すでに一人、前方を歩き始めていた


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