采は投げられた
5
嘘だ、ろ‥‥?
何でコイツはいつも、いつも真っ直ぐに‥
そしてど真ん中に‥
俺ん中ぶち壊して行くんだ!
だから‥‥
心臓がうるせぇんだよ!
クソッ‥‥
やっぱり‥‥
俺は、俺はコイツが‥‥
コイツの事が‥
「テメェらの事なんかどーでもいいんだ!!
ちッ、行くぞぅらァァァ!」
「受けて立つ!」
茶髪が乃木目掛け拳を放つ
数打ち当たる
そんな言葉を忠実に守ってるかの様な攻撃
でも‥
乃木に当たってねぇ
その攻撃をすべてかわし、冷静に様子を伺っていた乃木が
動いた
左脚を大きく踏み込む
ヒュンッと風を切り右脚が茶髪の頭に打ち落とされる
「ちっ、当たるかァァァ!!」
かわされた!!
寸での所で顔を後ろに引いた茶髪
鼻に蹴りが掠めたものの乃木の蹴りは空を切った
だけど‥‥
違ぇっ!!
右脚はフェイク
右脚が床についたと同時に、乃木のしなやかな体に捻りが入り
左脚が唸る
これは回転蹴り!!
「がはッ!」
一瞬のうちに
茶髪の耳辺りに乃木の踵が減り込み
人はあんなにぶっ飛ぶもんなのか!
それほどの威力が乃木の蹴りから放たれた
クソッ!はっきり分かっちまった
俺は力でも‥‥
「神谷‥‥待たせたな」
心も‥‥
コイツに
太刀打ち出来そうにねぇ
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