采は投げられた 4 「せやから、俺はいつかてっぺん取りたいと思ってんや! 腕には自信ある!でも努力もせな!それが強さの秘訣やろ!」 「‥‥‥‥あぁ」 「そーやろ、そーやろ! 男は拳!強くてなんぼ! その為には、どんな奴にも向かって行かな! 例えお前にやられようがそんなん、どーてことないんや! 結果やない!その過程が大切やっちゅ〜〜てん! なッ?俺、イイ事ゆーてるやろ?」 「‥‥‥‥」 「で、‥ん?神谷聞いてんか?神谷?」 駄目だ‥‥‥マジ眠い 頭がフラフラする コイツのどうでもいい喧嘩論議なんか、右から左へすり抜けていく 「お、おい‥神谷?寝てんか? あっ、おい!危なッ!」 カクンッと頭が大きく動き、一緒に釣られ体が傾いたのがテメェ自身でも分かった 「あ‥‥悪ぃ」 目をうっすらと開けば、また三根が俺を抱きしめて支えてくれている (あったけぇ‥) なんかこのまま眠っちまいそう 寝不足が祟って三根の胸ん中から起きる気にもならず そのままの体勢でいると‥ 「なんや、腰痛いちゅーてその上、寝不足かい! 寝れんようになる程、なにしてんねん」 まったく‥‥と、呆れた声と一緒にため息が混じりあい それが耳に届く (しまった!) そう思った時にはすでに ゾワリッと体中に疼きが走っていた [*前へ][次へ#] [戻る] |