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采は投げられた
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マジ体が痛ぇ‥‥
ケツにまだ違和感あるし‥
怠くて、眠ィ‥‥



「‥イ、サイ‥‥サーーイ!!」

「うわッ!!あ、兄貴!!」

「大丈夫か?ポヤンッてして〜〜」


俺の顔を覗き込むように、心配そうな顔の兄貴がすぐ目の前に居た


(あ‥‥ここ、居間だ‥)


こんな近くに兄貴が居たのに、気が付かなかった俺は、どうかしてる

えーと、確か‥
あいつん家から逃げるように帰ってきて
怠い体をソファーに沈めて、そのまま‥

うわッ、かなりの時間が経ってたのかよ
クソッ!
ずっと頭ん中グルグルしてやがる‥



「なぁ、サイ大丈夫か?唇痛ェのか?」

「え?」


何で兄貴がそんな事を言うのか?
そう疑問に思ったら‥‥


「さっきから指で摩ってるからよ」

「え゙゙ッ!!」

「あっ!慌てて熱いモン食ったんだろ〜!
火傷なら、氷食えば直るんじゃねーかな?」



え‥‥‥‥俺‥
うわぁッ、マジかよ!
無意識だったのか、俺?

まだ、なんか感触が‥‥
残って‥


あの柔らかい唇といい、舌がエロくて


『神谷‥‥』


低く囁くような声が‥
ずっと頭ん中で


「〜〜〜ッ、クソッ!」

「さ、サイ?」


‥‥ッつ!
何だよ、これ?
心臓が痛ェ‥‥


ジリジリしやがる


「あ、ああ兄貴!俺、寝る!お休み!!」

「へ?おう、お休み〜」


そうだ!
早く寝ちまって全部、あんな事は忘れる!

乃木の事なんか‥
あいつにされた事なんか‥‥
気持ちイイとか思っちまった事なんか‥


‥‥‥気持ちイイ?
‥‥‥‥
‥‥


「ちっ、くしょ〜〜〜!!」



物に当たる事しか出来ない夜は更けていった


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あきゅろす。
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