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采は投げられた
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「だ、大丈夫か?なんやそない体辛いんか?」

「‥いや‥‥平気だ
悪ィ、迷惑かけたな」


荒い息をなんとか整えたものの、明らかに怪しんでいる三根
チラチラと様子を伺ってるのがありありと分かる


「そか?ならいーやけど‥
あ、あんま見せへんほうがいいと思う‥‥あの顔は‥‥
‥‥その、変な気になる」


「は?お前何言ってんだ?
‥‥じゃあ、俺ぼちぼち戻るぞ」



何だコイツ?
よく分からねぇが‥‥
言葉を濁すは、気まずそうに顔を赤くしているは


(キモい‥‥)


まぁ‥いくらぶっ飛ばしても何度も向かってくる変な奴だから

これが普通なのかもしれねぇ‥


せっかく休もうと思って来た屋上は、コイツのせいで全然休めなくなってしまった
仕方ないとばかりに
今だ痛みがある腰と、膝に力を入れグッと立ち上がろうとしたら‥‥


「うわっ!」

「うぉッ!!」

「あ‥‥何度も、悪ィ‥‥
まだ足に力が入らねぇみたいで‥」


力が入らずカクンッと崩れ落ちた膝
とっさに三根が受け止めてくれたが‥

厄介な弱点のせいで、マジ情けねぇ


「!!!!あ‥‥‥
き、きき気いつけぇ!
な、なんや!足腰フラフラしおってからに!
神谷ほんまは、めっちゃ弱いんちゃうんか!?」

「弱い‥‥だと!!て、テメェェェェ!」

「あ゙ッ‥‥ま、待て待て待て!
冗談やさか〜ぐはァァァッ!!」



恩を仇で返すなんて事したくはねぇが
コイツが悪い!誰が弱い?
っざけんじゃねェェェ!
その言葉が俺は1番嫌ぇなんだ!


思わず出ていた手は、綺麗に三根の腹に減り込み
奴は白目をむいて倒れた後だった


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あきゅろす。
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