采は投げられた
2
「起きんかァァァァい!」
「何だよテメェは‥‥」
「行くぞ神谷ァァァァァ!」
あまりにうるさく仕方ないと重い腰を上げ、立ち上がった瞬間
俺に金髪野郎の拳が襲い掛かった
思いの外、威力があって
寸での所でかわしたが、無理に捻った腰に
ビキッと痛みが走る
「このッ!ぐッ‥‥痛ッて‥」
「あっ、おい!神谷、どないして‥?」
足に力が入らずバランスが崩れて
床にヘタり込む
所で‥‥‥
「ちッ、テメェ何してんだ?
チャンスだろーが!」
金髪の手が俺を支え、抱きしめられていた
「なんやァァァ?その態度は!
本調子じゃあらへんお前倒しても、面白くもなんともないんや!
いいから掴まれや!」
「ちッ、くそッ!‥‥悪ィ‥‥」
情けねぇ、こんな奴に借りを作っちまう羽目になるなんてよ
支えられた体は壁にそって腰を
下ろされる
「なんや腰痛いんか?」
「‥‥あぁ‥ちょっと
なぁ‥‥金髪」
「なぁぬぅぅぅ金髪やて!?
好敵手の名前ぐらい覚えてろや!」
好敵手と思った事なんてねぇが
どうもコイツの名前を覚えてなかったのが気に食わなかったらしい
そりゃうぜぇ程の勢いで名前を教えて貰う羽目となった
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