采は投げられた
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今時、こんな日本家屋があるのかよ‥そう思わせる立派な乃木の家で
俺は興奮していた
ゴクッと喉がなる
目の前に、綺麗な茶色の毛並みをしたネコがいる
「茶太郎だ」
「ちゃ、茶太郎!?犬みてぇ‥」
名前からして乃木のセンスを疑うがこのネコは
(むっちゃ可愛い!!)
恐る恐る手を出してみたら
「〜〜〜ッ」
舐めた!舐めてくれた!
自ら擦り寄って背中を撫でさせてもくれて‥‥
マジ感動もん!
また引っ掻かれでもするんだろう‥
半ば諦めてたのに
「茶太郎は頭いいからな
ネコにしては人懐っこいんだ」
「茶太郎‥‥」
「家来て良かっただろ?」
膝の上に乗って来た茶太郎の可愛いさったらなく
「ま、まぁな」
柄にもなく自然と笑みが零れる
そして俺の隣に居る嫌いな野郎も、若干イイ奴に思えてくるから不思議なもんだ
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