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采は投げられた
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学校帰り、ガサガサと茂みの中から動く音が耳に届く

(これは!)


ピンッときた俺はその音のする学校裏庭へ歩き出した


「いた!」


身を低くして茂みを見つめていれば、暗がりの中に光る目
独特の喉を鳴らす鳴き声

(触りてぇ‥)


「チッチッチッ」


手を差し出してみれば、ニャ〜〜と可愛い鳴き声がさらに響く

(うわッ、こっちに来た!)

ちょっとずつ俺に近付くネコに
行けるか?
そう思った矢先‥


「痛で!」


鋭い爪を俺の手に立てたネコは猛スピードで逃げていった


「あ゙ぁ゙ーークソッ!!」

「お前、何してんだ?」

「え?げッ!?乃木!」



見られた‥‥
つーか、いつから居やがったんだ、コイツ!

いつもの如く幽霊の様にいた乃木
その顔は不思議そうな表情で俺を見ていやがる


「〜〜〜クソッ!」



悪態を着いてはみたが‥‥

「ハハハッ‥神谷、猫に負けたのか?」


一部始終見ていたと思われる乃木には意味を成さなかった


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