采は投げられた
1
学校帰り、ガサガサと茂みの中から動く音が耳に届く
(これは!)
ピンッときた俺はその音のする学校裏庭へ歩き出した
「いた!」
身を低くして茂みを見つめていれば、暗がりの中に光る目
独特の喉を鳴らす鳴き声
(触りてぇ‥)
「チッチッチッ」
手を差し出してみれば、ニャ〜〜と可愛い鳴き声がさらに響く
(うわッ、こっちに来た!)
ちょっとずつ俺に近付くネコに
行けるか?
そう思った矢先‥
「痛で!」
鋭い爪を俺の手に立てたネコは猛スピードで逃げていった
「あ゙ぁ゙ーークソッ!!」
「お前、何してんだ?」
「え?げッ!?乃木!」
見られた‥‥
つーか、いつから居やがったんだ、コイツ!
いつもの如く幽霊の様にいた乃木
その顔は不思議そうな表情で俺を見ていやがる
「〜〜〜クソッ!」
悪態を着いてはみたが‥‥
「ハハハッ‥神谷、猫に負けたのか?」
一部始終見ていたと思われる乃木には意味を成さなかった
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