采は投げられた
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それからは、ドヤドヤと我が物顔で家に上がり込んだ双子とメガネ
これまた兄貴の部屋に、図々しくも転がり込みやがった
そして俺の部屋は兄貴の部屋の隣
だからとも言えねぇが‥‥
(うるせェェェェェ!!!)
さっきから双子の馬鹿笑いに、何度ブチ切れた事か!
ただでさえ耳に意識を集中すると、ハッキリ聞こえ過ぎる難儀なこの聴覚
『類ちゃん、やっぱ無駄な努力だよ〜
ここ足し算間違えてるし!
小学校からやり直した方がいいんじゃない?』
『類、諦めちまえ〜。人には得意不得意あるだろ?
お前に進級は無理だ』
そんな言葉が笑い声と一緒に響き渡る
(あいつら〜〜!!)
兄貴を侮辱しやがって!
もぅ、我慢ならねェェェェェ!
ギャハハハハ‥っと人の神経を逆なでする笑い声に
ブッチンッ!と血管をキレさせていた俺は
「ゴラァァァァァ!!兄貴を馬鹿にしやがって!
兄貴はな!兄貴は、やれば出来るんだよ!
ただ、やろうとしないだけだ!!」
イライラしていたが為、考えるよりも体が動き
隣の部屋を蹴破って叫んでしまっていた
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