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采は投げられた
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「て、テメェ離せ!!」

「ハハハッ、離せば逃げるだろ?」

「当たり前だろーがオラァァァァァ!!」

「無駄だ」

もう片方の捕らえられていない手を拳にし、顔面目掛け殴り掛かる
が‥‥

「な!このヤローーぐぁッ!」


足を払われバランスが崩れる


(ヤベッ倒れる!!)


思わず殴りかかっていた拳は乃木の学ランを掴んでいた


「神谷引っ張るな!っく!」

「うぁッ」


体勢が不安定になり、乃木もろとも床になだれ込んでしまった


重ぇ!!
背中が痛ぇ!!


「痛ッ、退けろ乃木!重いんだよ!」

「なに!?俺はそんなに太ってないぞ!
それにこうなったのは、お前が道連れにしたせいだ!」

「な!人のせいにしやがって退け!」


乃木が上から覆いかぶさる形になって
すべて下にいる俺の負担、負荷がハンパねぇ!


退かそうと下から押しやる俺に対して乃木は


「何でだろうな神谷?そう急かされると、反発したくなる気持ちは?」


すぐ動かないうえに、耳元で深いため息をつく始末


生暖かい吐息とその風に
サワッと髪が耳を掠めて行く

(あ‥‥マズい)


そう思った時には遅かった

ビクンッ
と、体が勝手に反応を始める


「!!!ど、退け!」

「待て神谷、暴れんな」


ヤバい
これはヤベぇ‥


「‥‥早、く‥退け‥」

「ん?‥‥神谷」

「‥‥ッ、しゃべる、な」


俺の顔を覗き込もうとした乃木が、顔の横に手をついたその指先が

耳に触れ


「くぅッ‥」


もう駄目だった

力が抜ける
上げたくもねぇ声が口から出て、ビクビクと甘い痺れが全身に襲い


「おい‥‥ん?
神谷‥‥お前何で勃ってるんだ?」

「!!!!」


1番知られてはいけない乃木の野郎に
俺は最悪の体勢で

醜態を晒してしまっていた


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あきゅろす。
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