采は投げられた
3
「テメッどうやってここに来やがた!?」
「ん?どうやってって‥‥
変な事を聞くな、お前は?歩いてー‥‥」
「そ、そうじゃねェ!ここに辿り着けた理由を聞いてんだ!」
「ああ。普通に神谷をつけた、それだけだ」
『それだけ』
‥‥コイツにとっては本当に簡単な事
でも、俺にとっては
有り得ねぇ事なんだよ!!
「クソッ!出ていけや!!」
「そうやってお前はすぐ噛み付く‥‥素直なのは兄貴の前だけか?」
(な!?兄貴‥だ?)
ドキッと心臓が跳ねる
「‥‥関係ねぇだろーが!
兄貴を出すんじゃねェェェ!!」
「それは嘘だな」
「テメぇ!」
「お前は‥‥」
「やめろ!!」
(聞きたくねぇ!
こいつ、分かってやがる!俺が、兄貴に対しての想い‥)
乃木の目
コイツの目に見つめられると
逃げ出したくなる
「神谷は兄貴の事が好きなんだろ?兄弟でなく‥」
「!!!ち、違ぇッ」
「その言葉も嘘だな」
「テメ、ゴラァァァァ」
徐々に近付いて来た乃木に
的を射すぎて心臓を痛い程突き抜けた言葉に
それを止めたいが為、殴りかかっていたのに
「な!?くッ」
その手は、しっかりと乃木の手の平に包み込まれてしまっていた
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!