采は投げられた
3
「男漁りが目的ではないなら、真面目に授業受けて進学希望でもないですしー
あっ!もしかして、女の子が嫌いとかだったりするんですかーー?」
早くに核心を突かれてドキッと心臓が打つ
「ち、違ぇ‥‥」
「え?神谷、女の子ダメなんですか?」
上擦った声はモロバレ
冗談めかして言った事が当たったとは思わなかった市が、ビックリしてこちらをガン見しているのが分かる
「ダメじゃねぇ‥‥苦手なんだよ」
「うわっ!もしかしまして、昔その目が原因で、恐がられて泣かれてしまったとか!」
「ちッ!」
「それでもってトラウマになった揚句、近くに来られてもダメだとか!」
「う、うっせェェェェェェ!!」
その、まさかのまさか‥で悪ィか!
小さい頃、転んだ女の子を助け様とした親切心
それが仇となったのを覚えている
俺の顔を見てさらに泣き散らす女の子を、周りにはどう映ってたのかなんか一目瞭然
『虐め』『酷い子』『恐い』
そんな中傷が耳にこびりつき
いまだに女を前にすると、どうもその時がフラッシュバック
動悸が激しくなり、落ち着かねぇ
だから、女がいない学校と思い選んだが‥‥
「神谷!是非一発ヤりましょーー!
君はイイ受けになれます!
僕のネコちゃーーん!!」
「死ねェェェェェェ!!」
「そこはニャーーーでしょーーがっ!」
後悔先に立たず
チャイムの音に負けず劣らず、市の頭を叩き落としてやった
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