采は投げられた
4
「ちっ、卑怯野郎が!テメェら市を離せや!」
「‥‥市、だと?」
市だけでも!と訴えた俺の叫びに
返って来たのはボソッ低い囁き声
その声の主
さっきまでニヤついていた茶髪の顔が歪んでいた
何だ?コイツ‥‥
「市‥‥市、市、市!!
いつもいつも、馴れ馴れしく言いやがって‥‥‥」
「は?」
「ベタベタ触るは、楽しそうにしゃべるは、終いに仲良く昼飯だぁああ?」
「はい!神谷の美味しそーな体は最高のオカズですから!」
「は、はぁああああ!?」
「ッ!!神谷ぁああ、テメェ羨ましいんだよ!
俺だってなッ!
そうゆー事してぇんだァァァ!」
「知らねぇよゴラァァァァ!」
もしかすると俺は、とんでもねぇ勘違いをしてたのか?
憎しみ溢れ出す茶髪の目が俺を凝視する
「テメェをここに呼んだのはな〜‥‥」
「ぐぁッ!」
「あぁッ!僕の神谷に何するんですかー!」
腹に鈍い痛みが走った
奴が繰り出す蹴りなんか、簡単に避けれるもんのたいした事のねぇ攻撃
なのに!
今この状況だとモロ‥
サンドバッグか‥
「痛ッ‥‥‥くッ!」
「市の前でテメェの情けねぇ姿を見せる為なんだよ!」
何だ?
とばっちりを受けたのは俺の方かよ!
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