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采は投げられた
3
「‥谷‥‥神谷、起きて下さいよ」

「‥‥‥‥ぁ?」


心配そうな声が聞こえる
いつも変な事を言いやがるあの声

よく聞くこの敬語口調は‥‥


市!!


「ぐッ〜‥あ‥‥」

「ククッ、やっと起きたか?」


低い野太い声‥‥
覚醒した俺に強烈な痛みと痺れ
そして俺に真っ先に飛び込んだのは
ニヤつく顔を張り付かせた茶髪の男
その髪は、前髪や所々黒が入ったメッシュウルフ

吊り上がった目に、健康的な小麦肌
装飾品をジャラジャラ着けてはいるが、体格がいいからなのか

様になっている


(虎‥‥みてぇ)


そんな男の横に
腕を後ろに縛られて床に寝転がる市の姿があった


「野郎ッ!痛〜ッ‥」


そいつに殴り掛かろうとすれば

動かねぇ!


「テメェの体見てみれ!無理だろーが?」


市と同じく俺の腕も、ひと括りに後ろに縛られている
それだけじゃねぇ!
ご丁寧にも足も同じ様に括られたテメェ自身の体は
さながらイモムシみてぇな格好


「くそっ、テメェらッ!ぶっ殺す!」

「意気がってもどうする事も出来ねぇだろ〜
万が一テメェが反撃して来ても、またこれで一眠りさせるまでだがな!」


バチバチッと青白い光りを放つ黒い物体


(スタンガン!)


さっき一瞬の内に意識を飛ばされたのはどうもこのせいだったらしい‥‥


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