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采は投げられた
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「また、か‥‥」


靴箱にやたらめったら入っている手紙を見て
うんざりとため息が出る

ちッ!朝無くしたのに、またかよ!
帰ろうとした矢先にこれだ!


何度もこの場で破り捨てちまおうと思った事か

ただ
背中に感じるジリジリと熱い視線と
ゴクッと唾を飲み込み息を懲らす

そんな野郎が少なからず近くにいる事が分かっちまう俺には

何となく
そうするのも気が引けて、また処分に困るという悪循環に陥っていた


ん?
何だこれ?


そんな手紙と一緒に一枚ただの紙切れが
淋しく置かれている

ノートから破り取られたかの様な、その紙に書かれた文字を見た瞬間


「ッ!!!クソッたれがァァァ」



いても立ってもいられなくなり俺は駆け出していた


『市 惣四郎を返して欲しいなら、体育館裏にある倉庫へ来い』


ちっ、クソッ!!


6時間目の授業には、市と乃木に無理矢理出させられそうになって
逃げおおせたからその後、あいつがどうなっていたかなんて知らねぇが‥‥


市は明らかに俺のとばっちり

またかよッ!!


この目のせいで、ほとんどの奴らは近寄んなかった
だけど、中には市みてぇに気さくに話し掛けてくる野郎もいて

気を許した直後


そいつが標的となった



テメェ自身じゃなく他の奴がやられるなんて


吐き気がしそうだ‥‥


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あきゅろす。
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