類は友を呼ぶ
1
「あ〜あっ、類ちゃん怒って行っちゃったよ。左京どうする?」
「はぁぁぁ〜‥どうするも、こーするもないだろ‥‥
あいつ野放しにしたら大変だろーが。
仕方ねー右京、追い掛けるぞ」
しょ〜がないな〜とブツブツ言う右京ではあるが、なんだかんだ言って心配しているのが丸分かり
連れだって廊下に出てみれば
「あっ!前方に類ちゃんはっけ〜〜ん!」
案外あっさりと見つかった
俺達からそんなに離れていない廊下で、類は床に散らばった本やレポート用紙を女と拾っている最中
「あらら〜〜、類ちゃんまた人に迷惑掛けて」
そう言いながら、笑顔の右京は類に向かって歩いて行く
類の所に到着した頃にはすでに拾い終わったらしく、女はペコッと一礼してその場から去って行ってしまった
「類、いつまで廊下に膝ついてんだ
歩行の邪魔!」
「そ〜!こんな所で黄昏れてたら蹴られても、踏ん付けられても、文句言えないよー」
と、言いつつすでに右京は類の背中にゲシゲシ蹴りを入れているが
ん?反撃がない‥‥
いつもなら
『痛ってーー馬鹿!
俺の事愛しちゃってるなら
褒めて伸びる子!
痛いのイヤーーン』
と、ウザく腹立たしい台詞と顔でさらに俺達をキレさせるのに
どうしたもんかと思い顔を覗き見てみれば、頬を赤くしてボーッとほうけた表情
あぁ、またか‥‥
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