鬼に金棒 1 鬼主任と世話焼部下くん ■■■■■■■■■■■■■■ 「主任っ、ほらベッドに座って下さいッ! 今、水もって来ますから」 「……ん」 思いやりのない武藤と同僚の奴らのせいで、居酒屋に取り残された俺は、酔っ払いと化した荒木主任を引きずる様に やっと自宅まで送り届ける事に成功したのは今さっき それにしても (相変わらず酷い部屋だな…) 床に散らばる本や脱ぎ散らかした服を見てると、片付けたくなってくる でも今は… 「荒木主任、水飲めますか?」 まだボーッとしている主任の方が最優先 俺の声にゆっくりと荒木主任が顔を上げたから、少し意識はあるようで 水の入ったグラスを差し出せば受け取ってくれた 「ん…」 コクコクと喉を鳴らして水を飲んでくれる 後はぐっすり寝れば二日酔いにはなるかもしれないけど、大丈夫だろう 「そ、それじゃあ…俺はこれで失礼します」 そうは言ったけど 本当は、ぶっちゃけ 帰りたくない…それが本心 とゆーか、主任に触りたくて仕方が無い 普段見せない笑顔を見せて 俺だけに縋り付いて来たあの仕草 他の奴が起こそうとしただけで暴れたのに、俺だけにすり寄って あんなの見せられたら誰だって… 「荒木主任、お……お休みなさい」 今だって肌けたワイシャツ姿にグラグラ理性が揺れる 頭の中のヤバい主任を振り払いグッとこらえて玄関に向かって歩き出した 「いつも、悪ィ…」 と、足が止まる まさかと思い振り返れば… 「……え?しゅ、主任?」 ベッドで座る荒木主任とガッチリと視線が合った [次へ#] [戻る] |