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鬼に金棒
3

「俺らが行く営業先はいつも大口の企業ばかりじゃないですか?
そんな所行っても大抵いつもと同んなじで、新規の顧客を狙うなら趣向を凝らして居酒屋とかはどうか?と。
人は来るし老若男女問わず需要があると思うんですよね。
だよな、佐和?」


「ぅえ?あ…あ、ああ!」


「人は来る、か……お前の言う事は一理ある。
こっちで顧客を値踏みする必要はねぇからな」



武藤の特異の話術
口からでまかせ、口八丁はいつもだけど
それにしても…

すっ……
武藤、すげぇぇええ!!
怒り狂ってた主任を納得させてる

そのまま何事もなかったように終われ!
そう思った俺に……



「それで主任!
市場調査兼ねて、今日行きませんか?飲みに!」



(そうそう飲……なーーーッ!)



「ぁあ?今日か?」


「はい、他の営業の奴らとの懇親会もどうっすかね?」


「急に言いやがって」



そうだ!
ここは止めておきましょう主任
今度、俺が美味い日本酒持って行きますから、どうかここは…



「分かった、行くか?」


行くんかーーい!
ちょちょちょ、マズいだろ!
絶対マズい!!
もし…
もしも、酔った主任を他の奴らが見たら……


ヤベェええええ!!!



「あ、あの、主任!!」



やっぱ日を改めた方がいいんじゃないですか…?
そう声を掛けようとした俺の声を遮り



「そして、佐和が全部手配してくれるそうです!」


「………へ?」





武藤……

結局、俺に押し付けやがった


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あきゅろす。
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