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知者は惑わず勇者は懼れず
2
「う、うわ‥っ‥ヒィイイッ!!」



残念ながら状況は一向に良くなっていません

反対に、シーンと静まり返った学校内
暗幕の隙間からは、暗くなってきた外の景色
そして、ホラー映画は5本目に突入し

状況は悪くなっています
さらに‥‥


「え!?ちょっ、マジですか‥‥?」


トンー‥‥

と、肩に重さを感じ、まさかのまさかだった


「あんた‥‥
俺にこんな事しといて寝るなんて‥‥
一体どういった神経してるんですかッ!」



隣を見れば案の定、俺の肩をマクラにし気持ち良さ気に寝息をたてている和泉先輩


「ちょっ、起きて下さいって!」


体を揺らして先輩を起こそうと試みが
うんともすんとも


(嘘‥ですよね?)


段々と闇が侵食を始めるこんな所で
すでに脳内暗黒パーティー
目をつぶれば、ほらそこだらけに血だらけの


ゾンビが‥‥


「ぐ、ぐぁあああッ!!
こんな所で一日過ごしてたまるかァアアアッ!」


これでもかッ!
という程、足をばたつかせたのが巧を相したか
それともその前に散々暴れていたせいで、今になって解けたのかどちらにせよ


ブチッー‥
そんな音を響かせ


(たたた、た、助かった‥‥)


足にギッチリ括り付けられていた紐が解けて、安堵のため息が思わず出る

急いで体中に巻き付いている紐も外し、最悪な映像もすかさず止め



「和泉先輩、帰りましょう」



今だにグースカと寝ている先輩に顔を向けて


「先ぱ‥‥‥」


俺は止まった
止まってしまった


いつも見ている精悍な顔付きはなく
造形の良さが一段と増した


寝顔を見た瞬間



思わず手が止まっていた


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あきゅろす。
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