[携帯モード] [URL送信]

知者は惑わず勇者は懼れず
3
体が勝手に動く
野生の本能の如く、和泉先輩を床に押し倒していた


「藤代?」

「ハァ、ハッ‥」


な‥‥

(なにしてるんだ俺ッ!)


気を抜くと、先輩に襲い掛かってしまいたくなるこの気持ち
発情期の犬みたいに欲望がムクムク大きくなって

自分でも止められない



それでも、なけなしの理性でもってグッと耐えていたのに


「お前、もっと触って欲しいのか?」

「ッ!‥‥ゥワンッ!」



想っていた事が通じて嬉しさのあまり、その残り少ない理性が吹っ飛んだ

和泉先輩の頭を掻き抱く様に力いっぱい縋り付いく俺の体



「そうか、嬉しいか‥‥」


優しく微笑む先輩の手が腰に回されて
その腰を引き寄せられるとピッタリ密着したその体勢に、心臓がドクンッと跳ねた



「俺もだ」

「ッ、ーーッ!」


腰と鼻孔に甘い、甘い、香りと疼きが走る
下からグイグイ押し付けられる下半身に、頭から足の先っぽまで電流が流れて


「、‥、ク、ンッ」


力が入らないッ


「俺も‥‥『実験』とは関係なく、単純に触りたくて‥‥仕方ない」



一つ一つの言葉に、こんなにも一喜一憂してしまう自分はやっぱり変なのかもしれない


「せ、先輩ッ」



和泉先輩の言葉を聞いて、靄が掛かっていた頭がハッキリとクリアになっていく
白黒だった風景に色彩が戻る様に‥‥


熱くて固いモノが何だとか分かってはいるけど
そんなのを押し付けられて、淫らな気持ちになっている俺は
普通じゃないって頭ん中で危険信号は鳴り響いてるのに

でも悦い‥‥悦くて


「い、ずみ‥先輩ッ」



先輩の下半身に自分の高ぶるモノを擦り付ける様に

腰を動かした


「んっ、気持ち‥‥いッ」



擦りつければつける程じんわりと拡がる快感
その快感を追い求める為、無我夢中で腰を振っていれば



「は‥‥
ハレンチィイイイッ!!!」



頭上から、ひと昔前のフレーズが悲痛な叫びと共に聞こえてきたのはその時


[*前へ][次へ#]

3/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!