知者は惑わず勇者は懼れず
2
「ワワン、ワン!バゥフッ!
(あんた一体、何したんですか!?)」
「おすわり」
「ワフッ!!‥ッ(げっ、俺!)」
先輩の言葉にこれまた従順にも体が反応
したくも無いのに、俺は冷たい床に座ってしまう
「藤代‥‥お前、いい子だな。ヨシヨシ」
「ン、‥クン」
(って!俺なにしてるんだッ!)
催眠術だとかふざけた事して、嫌なのに変な動きを取ってしまうは、しゃべる事もままならないは
嬉しい顔を見せるそんな人に腹立って仕方ないのに
先輩が伸ばして来た手が頭を撫でてくれると
(変だ‥‥)
そこからジンワリと暖かさが広がってくる
分からないけど、すごく安心して‥
それに、なんだろ気持ちイイし
もっと、触れて欲しくて‥‥
「クゥン‥」
「藤代?」
その手の感触に触れたい一心で顔を擦り付けていた
ほのかに薫る甘い匂いが鼻をくすぐる
本当に犬になったみたいに嗅覚が鋭くなってるようで
「藤代‥‥くすぐったい、嘗めるな」
その匂いに連れられて、堪らず先輩の首筋に顔を埋めてみた
(いい香り)
さらに色濃くなった甘い匂い
まずいとは分かってるのに
(触れたい)
その想いが止まらない
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