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知者は惑わず勇者は懼れず
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「『親友』と書いて『とも』と呼ぶこれが、あの最強の歌声を持つガキ大将が口にする『心の友』だな!」



オイオイオイ、この人なに言っちゃってんだ?


「び、ビンゴォオオオオッ!!」

「うわッ!」



突然、吠えた志摩先輩の声にビックリした



「ユウ、親友は裸の付き合いなんてそのッ!!
毎日どこでも、組んず解れんず、シッポリと!!
それが親友‥‥『心の友』だッ!!」

「そうだったのか‥‥」


いやいや違うだろ‥‥
明らかに間違った教え方
それを信じる方もどうかしている

呆気に取られている俺を横に



「ユウ‥‥お前が他人に興味を持つなんて、俺嬉しいよ!
あっ、そうだ!『コレ』幼なじみの俺から!」

「なんだ?」

「本当はやっと手に入ったすっげぇモノだけど、ユウにやる!
タケちゃんに使おうとか思ってたんだけど、ぜひ激マブくんに試してみてくれ!
な?受け取れよ、プレゼント!!」



話しがよく分からない方向へ進んで行く

意気揚々と志摩先輩がポケットから出してきた物は
ドーナツ型の鉄製リングに、ただ紐がくくりつけられているだけのモノ



マンガの中でしか見た事がない
それよりも何よりも、誰に試すって言った?



「これが説明書か‥‥
どんな奴でも一発で掛かる『今日から貴方も催眠術師』」



ゾクッ‥ー


と、毛穴が一気に開くほどの寒気が襲い掛かった
第六感がこれから起こるであろう危険を察知した様に‥



「ほぉ‥‥」


和泉先輩のメガネがギラリッと妖しく光る
いや、光ったのはメガネではなくて、その奥の


鋭い目


「藤代」

「な、な、何ですか?」

「実験だッ!!」



ひ、ヒィィイイイイイッ!!



そして、トラウマになりつつある『実験』の言葉に体が過剰反応

声にならない悲鳴が喉の奥底から

ほとばしり出た


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