[携帯モード] [URL送信]

知者は惑わず勇者は懼れず
6
つーか、く、苦しいッ!
この体勢はちょっとッいや、かなりキツい!

志摩先輩と同じぐらいの身長の和泉先輩
俺の方が高いから胸に顔を押し付けられると

首がッ!!



「い、和泉先輩、離してくー‥」

「お前は不思議だ」



悶える俺の頭上からそんな言葉が飛び込んで来たのはその時だった


「知ろうとすればするほど、俺は自分が分からなくなる」



緩んだ力に顔を上げて見れば、バチッと熱い視線が絡み合う



「その顔の傷‥‥いつ見ても良いな
目が奪われる。
お前はガタイが良いのに、中は‥‥熱い上に柔らかい
あの締め付けは癖になった」

「ーーッ!!」



やっぱりこの人阿呆です!何なんですかその顔ッ!
高揚した顔をなぜ俺に見せる!

いっそ、先輩だけどド突くぐらいしてもいいんじゃないか?

そう思った時‥‥



「お前に、こうして触れているのに、さらに触りたくなってくる
なのに‥‥」


(え‥‥?)


ツツーーッと頬っぺたをなぞる指に体が跳ねた



「なぜ俺から逃げる?」

「!!!!」



うわーーーーーッ!!
うわわわッ!
なに言ってんだこの人は!
く、ぅ〜〜ッこ、腰!!
男同士で向かい合ってるだけで、変なのに

腰に手を回さないで下さいッ!


「俺の被験者だと言っているのに、何故他の奴に抱き着くんだ?
お前の泣いている顔を見るたび、ザワザワ落ち着かなくなるのはどうしてだ?」



(ッ!!!な、なんだろこれ?めちゃくちゃ‥)


恥ずかしいッ!
どう聞いても、考えてみてもこれって

こく、告ここここーーッ



「おい、ユウ?お前、それって‥‥」


何かを感じ取った志摩先輩の唾を飲む音が
ゴクッと聞こえる



「一人の人間にこれ程、興味が沸いたのは初めてだ
‥‥‥まさかッ!!?これが‥‥」



(嘘、嘘だァァア!でもこれやっぱり‥)


告白まがいな
告白めいた
いや、やっぱり告白なの‥かも、知れなー‥



「親友かッ!!」


違ったーーーーッ!!!


[*前へ][次へ#]

6/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!