知者は惑わず勇者は懼れず
3
「あの〜〜相談というのは‥‥俺ッ、‥‥の知り合いが‥」
「知り合い？」
「は、はいッ！あくまで俺の知り合いの話しなんですが！」
駄目だ‥‥
こうでも言わないと、聞けない！
「で？」
「あ‥っと、その‥‥、例えば先輩は‥‥
お、ぉお、男を好きになった事ありますか？」
「えﾞッ！？な、な、なななに言ってんだテメェ！！」
「ヒッ！す、すいませんッ！
あ、じゃあ辻先輩は‥‥男に抱かれてその相手が気になってしまった事とかあり‥‥ます、か？」
言い終わった後『あ‥‥しまったッ！』
そう思っても遅かった
「ふ、ふ、藤代テメェェエエッ！！
誰が誰を抱くって言ってんだゴラァアアッ！」
遠くから攻めて行こうとした質問に喝を入れられて、つい投げてしまったド直球
失礼極まりない事をぶっちゃけ過ぎた！！
「すすすスイマセンーーッ！！
あの、だからッ！俺も何だか分からなくって！
あれから、あの時の事が頭にこびりつくは、夢にまで見るは
顔見ただけで心臓痛いし、声聞いただけで顔が熱くなるし‥‥」
「え‥‥‥？」
ん？なんだろう？
辻先輩がめちゃくちゃ俺を見てるんだけど‥
それも、なんか驚いてる様な感じもする
「お前の‥知り合い、だよな？それ？」
「へ？ーーッぁあああ、そうです！！そうですよッ！」
ヤバいッ！！
慌てて口走った俺の言葉に先輩の表情が曇って、怪しまれる
なんとかごまかさなければ‥‥バレるッ！
「辻先輩ッ！！だから、その、なんてゆーか‥あッ！
辻先輩は俺の事、抱けますか！？」
「だから藤代お前さっきからなに言ってー‥‥な、な、ななな何ィイイッ！？」
（あれッ？俺、なんかやっちゃったッ？）
人は焦るとロクな事しか言わないと思います
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